「メーチャンタイ村」ブランドのタイ製アラビカコーヒー 自立への道!
バンコクでも最近は手軽にアイスコーヒーを飲めますが、タイで作ったアラビカ種のコーヒーを自分たちの手で販売まで一括して行っているのが「アカメーチャン・タイコーヒーショップ」。
3月末までは1杯購入で1杯無料のキャンペーンを行っています。
場所はBTS チョンノンシー駅からすぐ、ビジネス街のサトン通りにあるエンパイヤタワーの地下で、トップスの脇。
今では、メーチャン村で栽培から焙煎、さらに販売まで一括して行っています。
もともとアカ族は、中国西部からミャンマー、ラオス、タイの山間部などで焼き畑農業などをしながら移動する民族で、一般には10~15年の周期で移動しながら生活していました。
しかし、山岳民族の人口が増えたことや、気候変動の影響により、5~10年ほどの短い周期で同じ場所に戻って焼き畑をしなけらばならなくなり、さらに中国や大手企業などの過剰な農業投資により、山間部に落花生やスイカ、ゴマなどを栽培し、焼き畑の農地が減少したことも原因です。
そのため、自然に大きな負荷がかり環境問題に発展し、焼き畑による煙害や航空機の航行にも影響が出て、タイでは焼き畑が禁止されました。
また、この村では2000年代の初頭まで、現金収入を得るために、禁じられていた阿片の素になるケシを隠れて栽培していました。そこで、ケシの栽培をやめる代わりに、安定した収入を得られるよう、前国王ラマ9世による支援でコーヒー栽培を指導され、アラビカ種のコーヒー豆を栽培するようになりました。標高1,500メートルの肥沃な土壌で生育したアラビカ種のコーヒー豆は美味で、タイ全国のコーヒーの品評会で3位に入賞するほど素晴らしい味です。
ところがコーヒー豆を作っても、仲買人に安く買い叩かれたり、他のコーヒー豆とブレンドして売られて十分な収入を得られず、メーチャンタイコーヒーの名前を知る人もあまりいません。
一方、村には電気や水道、学校や舗装された道路もなく、貧しい村の日常生活に支障をきたしていました。
そのメーチャンタイ村のコーヒーをブランド化し、商業ベースに乗せて収益を上げ、村人の収入や生活レベルを改善できるよう村民から強い要請があり、日本のNPONPOのアジア自立支援機構(小沼廣幸代表)で支援に乗り出しました。この事業は、地域行政やロイヤルプロジェクトの支援の下、村人が団結し、自発と自助努力によるパイロット事業として、将来、他の地域の道しるべになるよう計画されています。
メーチャンタイ村を選んだのは、若者が多く、優秀なリーダーがいたことも決め手で、まず協同組合の設立を支援し、コーヒーの加工工場を共同でつくりました。
コーヒーの加工に必要な建物の、建築資材はNPOで提供しましたが、村人たちがすべて自分たちで建て、そこで支援を終了する予定でしたが、その後、焙煎機がほしい、という要望があり、60万バーツほどで焙煎機を購入し、村でコーヒー豆の焙煎から袋詰めまで可能になりました。
そしてようやく、コーヒー豆を直接販売できるようになりましたが、タイ北部ではコーヒー豆を売るマーケットは少なく、バンコクでコーヒーショップを開店してメーチャン村のアラビカ種の認知度とブランド名を高めることにしました。
こうした背景で、エンパイヤタワーに出店し、広くバンコクのタイ人や日本人にその味を提供していますが、このコロナ禍の在宅勤務などが響いて客の入りも多くなく、まだ日本のNPOによる支援で成り立っている状態です。
タイの山岳民族や少数民族の支援に賛同していただける方はぜひ、一度、オリジナルで入賞したコーヒーを飲んでみて下さい。アイスとホットがあります。下の広告も参照で。
2022年1月20日 タイ自由ランド掲載