あぱまん情報2021年10月20日掲載 T.W.Y. バンコク都市開発研究所ホテル コロナ禍のホテル事情

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タイへの海外旅行者がコロナ前の99.9%減

外国人旅行者数の目覚ましい増加に伴い、タイの観光業はこれまで長年にわたってタイ経済の主要な役割を果たしてきた。しかし、新型コロナウィルス(以下「コロナ」という)の感染拡大で、ホテル業界は大きな打撃を受けた。 CBREによると、外国人旅行者数は、コロナ前の2019年3,980万人から、コロナ発生後2020年には670万人と前年比83%減少した。2021年上半期は僅か2万人、年間ベースで4万人、ピーク時の99.9%減と激減した(図表1)。

(資料)CBRE、元データ:観光スポーツ省(MOTS)
(資料)CBRE、元データ:観光スポーツ省(MOTS)

首都客室稼働率は2020年末12%まで低下

タイ国政府観光庁(TAT)によると、タイ国内のホテル客室稼働率は、コロナ発生前の2020年1~2月は60~70%台であったが、コロナ発生後、非常事態宣言発令により外国人入国を原則禁止した4月には2%まで落ち込んだ。その後、国内旅行者の増加に伴い回復基調にあったが、外国人旅行者への依存度が高いバンコクのホテルは甚大な影響を受け、2020年1月の85%から3月には21%まで下落、12月には12%と全国平均をさらに大きく下回っている(図表2)。

出所:タイ国政府観光庁(TAT)
出所:タイ国政府観光庁(TAT)

利用客減で隔離施設の6割がHOSPITEL申請

評価9.4と非常に高い 1泊1,270B(税サ別)から(ex.agoda10/1)要予約時確認(2019年open)  SHA:タイ独自の厳正なコロナ対策を設定して認証制に
評価9.4と非常に高い 1泊1,270B(税サ別)から(ex.agoda10/1)要予約時確認(2019年open) SHA:タイ独自の厳正なコロナ対策を設定して認証制に

国内のホテル代替隔離施設(ASQ)として、海外からの帰国者・入国者に隔離パッケージを提供し、活路を見出しているホテルが多く出た。しかし、タイ・ホテル協会によると、コロナ感染拡大による規制により、海外からの帰国者・入国者が激減したことから、ASQの60%がHOSPITELとして申請を行ったという。同協会の調査によると、ASQの稼働率は2021年5月13%、6月10%、HOSPITELが5月30%と高かったという。

コロナ禍でホテルの半数が一時閉鎖を検討

2021年4月以降のコロナ第3波(デルタ株)の発生により、4月頃から観光客がほぼゼロになるなど、深刻な状況となった。タイ・ホテル協会(THA)によれば、ホテルチェーンの半数以上がコロナ前の10%に満たない収益しか確保できず、従業員が次々と解雇されているという(2021/4/21バンコクポスト)。 2021年8月の平均客室稼働率は10.6%まで落ち込み(図表4)、コロナ感染拡大が予想以上に長引いた場合、ホテルの52%が営業を停止すること、9%が廃業することを考えているという(タイ中銀調査8/13-28,全国234ホテル)。

(資料)タイ・ホテル協会2021年8月調査
(資料)タイ・ホテル協会2021年8月調査

ヒルトンSBが一泊1,450Bから宿泊可能

 

筆者もヒルトンに宿泊したがこの価格でこれだけの部屋に泊まれるのには驚いた。ワイングラスも完備
筆者もヒルトンに宿泊したがこの価格でこれだけの部屋に泊まれるのには驚いた。ワイングラスも完備

この厳しい中、ホテル各社は様々な営業努力を行っている。宿泊費もヒルトン・スクンビット・バンコクのHPでは、一泊1,450B(約4,790円税サ別)から可能という(10/1時点10/20料金、要予約時確認)。5つ星の一流ホテルに一泊5,000円以下で泊まれる。日本ならば、コロナ禍でも一泊2万円はするであろう(ex.Hilton東京5,440B)。もし、お時間がとれるようであれば、是非、宿泊されてみてはいかがでしょうか。  

コロナ治療薬 開発が進む飲み薬

今冬にも供給できる可能性 製薬会社4社 コロナ感染初期に、口から投与できる治療薬の開発が国内外で進む。開発が先行する主な製薬会社は、塩野義製薬(大阪市)、ファイザイー(米国)、メルク(米国)、ロッシュ(スイス)の4社。いずれも医師の診断で処方される経口治療薬で、軽症患者が対象だ。陽性と分かった時点で服用することで、症状のないまま完治できる可能性もある。2021年9月現在、申請から承認までの期間は概ね1か月程度。4社とも今冬にも供給できる可能性がある(河北新報2021年9月16日)。

2022年3月迄に 塩野義製薬が1,000万人分

塩野義製薬は、開発中のコロナ治療薬について、2021年3月までに国内外で合計1,000万人分の供給体制を整える方針を明らかにした。国内では年内に100~200万人分の供給体制を整備。加えて海外メーカーへの生産委託などを検討しており、海外向けの供給にも力を入れる。 開発しているのは、ウイルスの増殖を抑制する軽症者向けの飲み薬。感染初期に服用することで重症化を防ぎ、発熱などの症状を改善する 効果が期待されている。国内では、治験が難しい医薬品を発売後に評価する条件で承認する制度「条件付き早期承認」の年内申請を目指している。さらに、米国で来年3月をめどに緊急使用許可を取得する考えだ(時事ドットコム2021年8月25日)。 Apaman5556【図表】主なコロナ飲み薬の開発状況

(資料)河北新報2021年9月16日
(資料)河北新報2021年9月16日

 

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あぱまん情報の広告2021年10月20日 タイ自由ランド掲載

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