西野順治郎列伝 105 第12章- 1 – 11 人見 宏大使と西野順治郎さん2
日・タイ関係について見ますと、勿論両国は以前から友好関係にありますが、私の着任後1年を経ずしてそれまで小康を保っていた貿易不均衡が再び拡大し始め、この問題を主因として新聞紙上に対し対日批判記事が頻繁に見られるようになりました。
一方1977年には福田総理(当時)のタイを含むアセアン各国歴訪があり、その際に日本政府の基本外交政策の一つとしてアセアン重視政策の発表が行われ、タイを含むアセアン諸国との関係に新たな頁を開くことになりました。
その後、官・民挙げての努力は、経済・技術・文化面での交流の拡大・充実となって実りつつあり、今や日・タイ両国はかってみなかった程緊密な友好関係協力を築き上げ、両国首脳間の接触も種々の形で常時緊密に保たれております。
ただ唯一の問題として貿易不均衡問題が今後解決されるべき問題として残されておりますが、これも問題の本質が次第にタイ側の官・民に理解されてきて、問題は一朝一夕に解決し得るものではなく、タイの経済構造上の問題であることが認識されてきて、対日批判記事も影をひそめるに至った事はご同慶の至りであります。
勿論、この問題の解決のために、日・タイ双方が更に一層努力を続けせるべきである事は言うまでもありません。
要するに、日本とタイを含むアセアン諸国との間のますます高まりつつある相互依存関係、タイのフロント・ステートとしての重要性の増大等によりお互いに相手の重要性・必要性に対する認識が深まってきているということであります。
この深まった友好・協力関係を更に維持し発展せしめる事は、日・タイ両国に取り将来に亘る重要課題でありますが、これは政府レベルだけではなく、むしろ民間レベルでの広範な相互理解の上に成り立つべきであり、その意味でタイの人々と常時直接に接しておられる在留邦人の皆様方におかれても、日・タイの相互理解・友好関係促進に今後とも一層力を入れていただきたいと思います。
次に泰日教会学校の事について一言ふれさせていただきたいと思います。
皆様の多くは既にご存じのことと思いますが、現在の泰日教会学校は借用土地の関係で、移転を迫られています。
すでに移転先の候補地も決まっており、現在学校運営委員会を中心に新校舎建設資金の募金運動中であります。
申すまでもなく、次の世代を担う子弟の教育は最も重要な問題でありますので、皆様方もこの点、ご理解いただき積極的にご協力下さるようこの紙面を借りてお願い致します。
最後になりますが、西野前会長・園山現会長を始め在留邦人の皆様方によりこの4年間公・私にわたりお寄せいただいきました御厚情に対し深く感謝いたしますとともに、皆様方のご健康と、タイ国日本人会の今後の隆盛と発展を祈念して、離任の挨拶とさせていただきます。
1979年12月記 (次回号に続く)
2024年12月5日 タイ自由ランド掲載
²: [The New York Times](https://www.nytimes.com/2018/02/03/world/asia/mount-everest-how-tall-nepal.html)
ソース: Bing との会話 2024/1/10
(1) 西野順治郎 – Wikipedia. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A5%BF%E9%87%8E%E9%A0%86%E6%B2%BB%E9%83%8E.
(2) 西野 順治郎 – Webcat Plus. http://webcatplus.nii.ac.jp/webcatplus/details/creator/55292.html.
(3) 西野順治郎とは – わかりやすく解説 Weblio辞書. https://www.weblio.jp/content/%E8%A5%BF%E9%87%8E%E9%A0%86%E6%B2%BB%E9%83%8E.