タイの観光の切り札は「温泉」!?

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タイの観光の切り札は「温泉」!?
タイの観光の切り札は「温泉」!?

 

最近はタイ人の所得も上がり、日本への格安航空券なども販売され、またビザなしで15日間、滞在できるため、タイ人で日本に旅行する人も急増している。その中でタイ人がぜひ行きたいと思っているのが「温泉」。基本的にシャワーしかない生活を送るタイ人だが、ゆっくりと湯舟につかり、そこからの眺めもよい、などという非日常的なシチュエーションを体験してみたいと思っている。

そういったタイ人が増えるにしたがい、「タイにも温泉をつくろう!」という声が最近は上がっている。日本と同じように外国人の観光誘致を目ざすタイでは、特に中国人旅行者がターゲットで、「温泉」を中国人向けに開発したいという動きが起こっている。
では、タイには今まで温泉がないのか、というと、そういうわけではない。バンコクではあまり聞かないが地方では有名な温泉がいくつかある。

「いい温泉があると聞いて長い時間、車で走って行っても、日本のレベルではなく、がっかりすることが多い」とタイの温泉フリークだという光富良介さん。長年、タイに住んでおり、日系の車関係のアドバイザーなどもしており、タイでは津々浦々、コラート、チェンマイ、プーケット、ラノーンなどの温泉に足を運んだという。

3年ほど前に、タイに関するブログなどをチェックしていると、バイクのツーリングをしている日本人のブログがあり、その中に「おいしいガイヤーン(鶏の炭火焼き)を食べて、ホテルをチェックアウトして走っていると、温泉を見つけた」というのがあり、さっそく自分の足で確かめてみることにした。

バンコクからは280kmほど北に行ったペチャブーン県内にある。車では3時間余りかかる。幹線道路が整備されており、昨今、リゾート開発が進む県であり、一般的にはイサーン地方に属している。幹線道路から左に折れ、1㌔ほど車で走ると、そこにバーンクルー บ้านครูという温泉があった。先生の家という意味だ。

まもなく定年を迎える教頭先生がオーナーで、すでにタイ人向けに50バーツの温泉の個室などを提供していた。

そこに200バーツのVIPルームもあり、その温泉に浸かった光富さんは「これをもう少し、日本人が楽しめるレベルの部屋にすれば、バンコクからも来てもらえる」と、アドバイスを求めるタイ人オーナーに、日本人向けのVIPルームを作ることを提案、それが今年2月ごろ、出来上がった。
3年の間にすでに50回ほどは行き来しているという光富さん。新しく出来た500バーツの部屋は、バンコクに住む日本人でも楽しめると、口コミで広めている。
「3時間余りなので、日帰りで温泉ツアーを組むことも可能だと思います。もし行きたい人がいれば紹介したい」といい、
光富さんの連絡先は℡089‐053‐6482まで。

 

「このあたりは温泉の宝庫のようで、40mほど掘れば湧き起こるようです。温度も42℃ほどで日本人にもちょうどよい。やはり温泉につかると、翌日のからだのパワーが違いますね。ここのは重曹泉という種類で、効能も痛風、糖尿病、肝臓病、胆石、関節痛、高血圧症など、いろいろあると思いますよ」と語ってくれた。

タイではすでに温泉がいろいろ紹介されているが、このペチャブーン県のバーン・クルーはほとんど出てこない。そういう意味では、タイ人にも一般的には知られていない穴場の温泉ともいえるだろう。さらに、日本人のアドバイスのもと、日本人向けのVIPルームを造ったとなれば、一度、行ってみたいという気になる。

一方、バンコクにも温泉と呼ばれる施設はあるが、これらは地方の湧き湯をバンコクに運んでおり、そこで湧き起こるというものではないようだ。

さて、タイ人にも一般的に知られているタイの温泉というと、タイ人向けのサイトを検索してみると、タイには112ヵ所もの温泉があるとしており、それぞれを紹介しているサイトもあり、それを見ると、タイ北部のチェンライ8ヵ所、チェンマイ16ヵ所、メーホンソン12ヵ所、ランパン7ヵ所、プレー4ヵ所、ターク5ヵ所、カンペーンペット3ヵ所、ぺチャブーン4ヵ所、カンチャナブリー6ヵ所、ラノーン6ヵ所、スラタニー9ヵ所、パンガー3ヵ所、クラビー5ヵ所、トラン2ヵ所、パッタルン4ヵ所などとなっている。

その中で、いくつか紹介すると、チェンマイ県のパーペー町にある湧き湯は結構大きいもので、国立公園内にある。

そのほか、カンチャナブリー県は日本人にも知られている場所で、タイ人観光客なども立ち寄っている。さかのぼってミャンマーへの鉄道建設の時に日本兵が駐留し、その時に見つけたものとか。
また、ランパン県のジェー・ソーンは9ヵ所も湧いており、温泉たまごが17分で出来るのが自慢。
そのほか、チェンマイ県のサンカンペーンは温泉として観光客など向けに整備されている。

また、湧き湯があるところが多いとされるラノーン県は、ラクサワーリン公園で、自然に湧き起こる光景が写真でよく使われている。

これらはまだ、自然に湧き起こる湯水をあまり手を加えないで、一般開放しているところも多いが、今後は日本に行ったタイ人などが、その「温泉」というレベルにまで楽しめるものを、開発、整備する動きが出ており、それらを観光誘致の目玉にしたいとしているので、我々、日本人も日本で入ったような温泉が、タイの地方で入れるようになる日が近いと思われる。

2015年10月5日 タイ自由ランド掲載

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