おまかせ OMAKASE 豪華な3万円のコースも 口コミで絶賛の嵐!
現在、バンコクでは「おまかせ」料理が花盛り。雨後のたけのこのように次々に出てきて入れ替わりも激しい。ざっと見たところでは50件以上はあるでしょうか。それもおまかせのコースが5千バーツや8千バーツなどで、円安のこの時期、日本円にすると1食2万円、3万円ほどにもなります。こういう料理とは無縁の自分でもGoogle マップを開けてみると、次から次へと出てくるので、ちゃんと客も入って成立した事業なのでしょう。
ターゲットは気軽に日本などに旅行に行けないタイ人の富裕層で、先ごろオープンしたエカマイ「TORISAWA22」の店主は、「タイ人の芸能人や会社の社長、飲食店のオーナーなど」と言っており、そういうお金持ちの富裕層や新規開拓を狙う同業者がタイには一定数いて、そういう人たちがターゲットとなるようです。
こういう人たちはお金の使い方もハンパじゃなく、メニューにはタイ人が大好きな「うに」はマスト、そのほか、フォアグラやキャビア、トリュフを散りばめて、いかに豪華に見せて富裕層の満足感を満たすか。
1日に1万人上限から2万人上限へと、日本への外国人観光客の入国者を制限している状態で、さて、一般のタイ人はいつ、日本に行けるのでしょうか。これだけ円安になって、2,500バーツで1万円に代えられるなら、それだけで十分にバーツが強く、言ってみれば日本に行けば、今までの20%引きでおみやげが買えて食事ができる、ということになります。
しかし、それがいつできるのかわからないので当分、このような「おまかせ」はタイ人の富裕層の間ではもてはやされるでしょう。
富裕層だけでなく、タイ人の普通のOLやビジネスマンでも、最近は給料5万バーツもめずらしくなく、そういう中間層の人でも普通にこのおまかせは食べられるレベルとなっています。
さきの「TORISAWA22」は、エカマイに5月に登場したやきとりのおまかせで、1人3,000バーツほど。豪華な1人5千、8千のメニューではないですが、宣伝はインスタグラムとLINEの公式で、とりあえずそれだけでタイ人を呼び込めるといいます。
日本ではミシュランの星店で「6ヵ月先まで予約の取れない店」といわれており、それがタイでオープンしたと、タイ人の間で広まり、予約が入っています。店主も「99%タイ人です」というように、タイ人がターゲットだから、需要と供給がマッチしています。やきとりなのでうにやフォアグラなど、きらびやかな素材は扱っていないが、おまかせでカウンター12席だから、内装に凝る必要もなく、意外とオープンは簡単。
ところで、タイでのおまかせはどういったところから広まったのでしょう。もちろんずっと以前から、おまかせ料理は高級店ではあったと思われますが、「銀座 鮨一」が来て、お昼のおまかせ、夜のおまかせなどが広まり、そしてタイで4年連続でミシュランを取ったので、さらにタイ人の富裕層にも広まったと考えられます。昼のおまかせ4,500バーツ、夜のおまかせ7,500バーツ。
ほかには例えば、「寿司Zo」はプルンチットのアテネホテルでオープンし、昼のおまかせ4,500バーツ、夜のおまかせ7,000バーツ、エカマイのはんげつのおまかせはランチ2,800バーツで夜のおまかせは4,800バーツと6,800バーツ。Google マップの口コミ評価で4.9が付いていて、タイ人のコメントで絶賛の嵐。一度は食べてみたいと思うのも無理はない。
スクムビット・ソイ49のレインヒルの「割烹 隆」はおまかせ4,000バーツ、ニッコーホテル3階の「奇新」はおまかせ昼3,500バーツ、夜6,500バーツ。
今の円安では2万円で5,000バーツにしかならないから、3万円でお釣りがくる感じでしょうか。バーツが強くなり、タイ人のお金持ちにはついていけない、といったところで、そもそも、このおまかせは、コロナの期間、日本に行って食事ができないタイ人に向けて、高級食材を使って、タイでおまかせ料理を提供したわけだが、今後、タイ人観光客も日本に行けるようになれば、新たに日本に行っても、高級食材を使い、外国人向けのおまかせが日本で出現して、はやるかも知れない。
各店舗のGoogle マップ