【なつかしい記事】セブンイレブンのフランチャイズ・オーナーは大変?

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セブンイレブンのフランチャイズ・オーナーは大変?
セブンイレブンのフランチャイズ・オーナーは大変?

バンコクの街中では、セブンイレブンが至る所にあり、場所によってはセブンイレブン同士で客の取り合いをしているが、実際タイでコンビニといえば、セブンイレブンが他を圧倒している。タイ全国に7651店舗(2014年3月)と日本、アメリカに次ぐ3位の店舗数を誇り、それを追うファミリーマートはまだ800店ほどと、その差は非常に大きい。

日本からローソンも進出してきているが、タイでセブンイレブンを運営するCPオール社は2018年までに1万店突破を目指し出店を加速させ、他社との差を広げている。

タイのセブンイレブンには、CPオール社の直営店とフランチャイズ店があり、直営店4割、フランチャイズ店6割ほどの比率で、バンコク中心部は直営店が多く、郊外にフランチャイズ店が多い。

フランチャイズ店のオーナーは常に募集していて希望者は多いが、誰でもなれるというわけではない。バンコク郊外でセブンイレブンを営むタイ人Tさん(40歳)に聞くと、セブンイレブンのオーナーになるには、まず保証人を用意し、セブンイレブンのオーナーとしてこうあるべきといった内容の講義を受けなくてはいけないという。本部から求められる要求は厳しく、この時点で自分には合わないと断念する人もいるようだ。

本部はセブンイレブン経営を副業的にやられるのを嫌うそうで、経営希望者はCPオール社で面接や審査を受け、経営者としての適正から本気度までいろいろチェックされる。Tさんはこれをパスした後、チェンワッタナーにあるCPの研修センターで約1か月にわたり本格的なトレーニングを受け、トレーニングでは商品の知識、スタッフの管理、プロモーションや広告など経営全般に関して学んだという。

セブンイレブンをオープンするにはロケーションは重要で、自分で探し出すこともできるが、本部が店舗を用意する場合がほとんどで、前のオーナーが辞めるので居抜きでオーナーだけが変わるというケースも多いようだ。
サムットプラカン県のセブンイレブン・オーナーのMさん(35歳)は、以前からセブンイレブンの店舗で働いており、3年前に独立し自宅近くに店を持った。そういう場合はトレーニングは免除されるそうだ。

最初にかかった金額は投資に48万バーツ、保証金として100万バーツ、計148万バーツで6年契約になっている。これは投資額としては一番安いパターンで、好立地や新築の物件だともっと高い。フランチャイズを辞めたときには、保証金は帰ってくる。

Mさんの店舗は大通りから横に少し入ったソイにあり、1日の売り上げは平均5万Bくらいという。1か月で約150万B、粗利は20%の30万Bほど。セブンイレブンへのロイヤルティは、その月の売り上げにより変わるというが、おおよそ粗利の40%から50%で、30万Bの半分15万Bを払い、そこからバイト代10人分を払うと残りは5万Bほど。それがMさんの収入になる。これはあくまで一例で、店舗の規模や立地により売り上げ額には大きな幅がある。

約半分ロイヤルティで取られるといっても、店舗の家賃は本部もちで、セブンイレブンというブランド力や本部からのサポートを考えると高い感じはしないとMさんはいうが、オーナーと雇われ店長の中間の様な印象を受ける。

Mさんにとって一番大変なのはバイトスタッフの確保で、常に苦労していると話す。

本部からの紹介もあるが、基本的に自分で探さなくてはならなく、せっかく見つけても2、3日で辞められてしまったり、売上をくすねられたこともあるという。Mさんは日曜日以外、毎日朝8時から夜9時までお店に出ていて、それ以外の時間でも駆けつけることが多く、なかなか気が休まる時間がないと話す。万引き被害も少なくないそうだ。フランチャイズ店オーナーとしての収入がこの気苦労に見合うと思うかどうかは、その人次第だろう。

日本にはセブンイレブンだけで16622店舗(2014年5月)あり、人口100万人に対するコンビニの店舗数は390店舗と、世界屈指のコンビニ大国になっている。タイは100万人当たり約150店舗と、今後、タイが日本型の家族構成やライフスタイルに近づくならば、まだまだ出店の余地はありそうだ。屋台よりコンビニ弁当という時代が、タイに来るかもしれない。

またここ数年タイでは爆発的に車が売れ、今後はさらに郊外の街道沿いなどでセブンイレブンのオーナーをめざす人が増えていくと思われる。

2014年6月20日 タイ自由ランド掲載