タイで演劇のファンを増やしたい、7月に「水の時間」を公演

タイで演劇のファンを増やしたい、7月に「水の時間」を公演

7月19日から公演されるタイを拠点に活動する劇団シーンゼロの「水の時間」。

「感じ方は人それぞれ。先入観を持たずにぜひ観に来て欲しい」と話すのは、この作品の脚本を書き、演出を行い、そして自ら演じるシーンゼロ代表の谷川翔吾さん(35歳)。

「水の時間」は、ニューヨークを舞台にした脚本家の日本人男性と女優志望のタイ人女性のストーリーで、二人は愛し合っていながらも、言語や文化の違いにより、けんかが絶えず、その仲裁に入る隣人が、さらに火に油を注いでしまいます。

その様子をコミカルに演じながら、登場人物の愛情や葛藤など、心の動きを浮かび上がらせます。

観た人が本当の思いやりとはなんだろうか、ということを改めて考えるきっかけになってくれるとうれしいと、谷川さんは話します。

「水の時間」は日本語、タイ語、英語で行われますが、スクリーンの字幕が付くので、タイ語がわからなくても楽しめます。

3月に行われたシーンゼロの公演「フォーシーズンズ」でも、日本人とタイ人のコミュニケーション・ギャップをユーモラスに描いていましたが、谷川さん自身が日タイハーフであり、国籍や言語を越えた人と人との繋がりや、文化の違いから生じる孤独感や疎外感などが、彼の作品のひとつのテーマになっています。

また脚本を書くときは、少数派の視点を意識していると言います。

谷川さんはタイ生まれで、高校時代から日本で過ごし、そこで演じることに興味を持ったそうです。

高校卒業後、紹介してもらった劇団を見学に行った日に、ちょうど劇団の代表が作品のリサーチで訪れていたタイから帰ってきたところで、タイ絡みの不思議な縁もあり、その劇団に入り19歳から本格的に演劇活動を始めました。

その後、演じるだけでなく、脚本や演出にも活動の幅を拡げた谷川さんは、まだ演劇の認知度の低いタイで活動を始めるべく24歳でタイへ戻りました。

日本は劇団がやっていける一定のマーケットがありますが、タイは無いに等しく、仕事を聞かれて、劇団をやっていると言っても、なかなか理解してもらえず説明に苦労するそうです。

タイで役者として演じるにはテレビや映画に出るしか道はなく、谷川さんもCMやテレビの仕事のオファーが増え、そっちに情熱が向かった時期もあったそうでが、やっぱり舞台が好きということで原点に戻りました。

谷川さんは、舞台の良さはダイレクトに客の反応が感じられること。役者としてテレビより得られるものが多いと言います。

日本の小劇場は客が身内で固まることが多く、反応も馴れ合いになりがちですが、タイ人の反応は賞賛も批判もダイレクト。また日本人客は一歩引いて劇を観察してしまうけど、タイ人客は逆に一歩前に出てストーリーに入ってくる印象だそうです。

谷川さんが劇団シーンゼロを立ち上げたのは去年で、まだまだ荒野を耕して種を撒いている段階だといいます。3~4カ月に1回のペースで公演を行っており、少しずつタイ人の客は増えているそうです。

小劇場での観劇は、普段あまり接する機会のない多種多様な人たちと、非日常的な時間と空間を共有することも醍醐味のひとつです。その楽しさをより多くのタイ人に知ってもらうことで、ファンのすそ野を拡げて、演劇そのものの認知度アップを目指しています。

地道に演劇活動をしているタイ人も各地に存在しているそうで、そういった人たちとも連携をとって、盛り上げていきたいと抱負を語りました。

谷川さんは、今まで自分は本当に運が良かったと感謝しています。劇団の活動が行き詰ったり、何か問題がある度に、必ず助けてくれる人が現れたそうで、自分もタイで頑張っている演劇関係者を助け、彼らが将来の夢を語れるような活躍の舞台を作っていくことに使命とやりがいを感じています。

 

2018年7月20日 タイ自由ランド掲載

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