あぱまん情報2023年2月5日掲載 T.W.Y. バンコク都市開発研究所 デング出血熱が危険 タイでの感染者数は前年の2.8倍に

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2022年に入り約2万人のデング熱患者発生

タイ国営メディアNNTによると、タイ保健省疾病管理局(DDC)は、2022年1月1日から8月24日の間に、19,380人のデング熱患者が報告、うち17人が亡くなったと発表したと伝えている。このデング熱感染者数は前年の2.8倍にのぼっている(2022/9/12)。この期間の患者の多くは5~14歳の子供、次いで15~24歳の若年成人、そして新生児であった。

日本でも70年ぶりの国内感染で大騒ぎ

(資料)WHO、CDC資料より作成
(資料)WHO、CDC資料より作成
屋内吸血・夜間吸血性
屋内吸血・夜間吸血性
屋外吸血・昼間吸血性
屋外吸血・昼間吸血性

デング熱は、デングウイルスをもった蚊(ネッタイシマカ、ヒトスジシマカなど)にさされることにより感染する、ウィルス性疾患である(図表2)。全世界では年間約1億人がデング熱を発症し、約25万人がデング出血熱を発症すると推定されている(図表1)。日本では、東南アジアや中南米で感染した渡航者が持ち帰り、毎年200人ほどの感染者が確認されている。2014年の8月に日本で女性がデング熱に感染したというニュースが流れ、国内感染は70年ぶりと大騒ぎになった。さらに、2016年7月には新潟県に住む30代の女性が、デング熱が重症化した「デング出血熱」で亡くなっている(図表3)。   i4

ワクチン、治療薬のないデング出血熱に注意

デングウイルスに感染した場合、大多数はデング熱(DF)と呼ばれる一過性熱性疾患となる。これは感染3~7日後、突然の発熱で始まり、頭痛・筋肉痛、食欲不振、腹痛等となるが、これらの症状は1週間程度で消失し、通常、後遺症もなく回復する。問題なのは、デング熱とほぼ同様に発症し経過した患者の一部において、血漿漏出と出血傾向を主症状とするデング出血熱(DHF)となることだ。重篤な症状は、発熱が終わり平熱に戻りかけた時に起こることが特徴的である(図表4)。なお、デング出血熱には、治療薬はなく、ワクチンや予防薬もなく、対症療法のみのため蚊にさされないようにすることが最善の予防方法となる。 新年早々高熱が出るなど大変な一年のスタートとなった。2023年1月3日インフルエンザではないかと心配して病院で血液検査を行ったところ、デング出血熱との診断であった。熱帯エリアで血が止まらず死んでしまうという話を聞いてはいたが、自分がそれに感染するとは思ってもみなかった。 2022年12月27日年内最後のゴルフを終え、元気に一年を終えようとしていた12月30日突然の高熱が出る。39.5度だ。咳も出ないし、喉も痛くない。症状としてあるのは39.5度の高熱と筋肉痛だ。妻は花屋で忙しい。私も車で花の卸市場まで仕入れに行く予定であったが、この高熱ではどうにも動けない。巷では、中国のコロナが問題となっているが、これほどの高熱がでるのはオミクロン株ではなく、インフルエンザの可能性が高いと判断した私は、新年1月3日病院で検査をすることとした。ドクターの見解では、咳などの症状もないこことから、2~3日で治るでしょうとのことだった。「もし、心配なら、蚊の血液検査をしてみたらいかがでしょうか」という軽いアドバイスがあった。1時間後、検査結果がでた。ドクターの顔色は深刻だ。妻がタイ語での説明を聞いているが、私にも相当まずいのではないかと感じる雰囲気。結果は私の想像を遥かに超えて悪いものであった。

血小板の数が、命にかかわる数まで大幅減少!

デング熱に感染した上に、それより重篤化したデング出血熱になっていたのだ。デング出血熱は、インフルエンザほどは致死率は高くないが、重症化すると非常に危険だ。 人間の血小板は、通常1ミリ立法メートルの中に40万個あるというが、10万個を下回ると出血が止まらなくなるという。新年1月3日の時点で10万個まで下がっていた私の血小板の数が、1月5日の再検査では6万個までさらに低下していた。極めて危険で、直ぐに入院しないとだめということであった。ただ、この病気には治療法はなく、入院しても栄養剤の点滴を打つ程度という。自然に治るのを待つしかないなら、自宅で様子を見るということにした。

医者から渡されたのは何とスポーツ粉のみ(1月3日)
医者から渡されたのは何とスポーツ粉のみ(1月3日)

2021年の新型コロナ・デルタ株感染時同様の家族崩壊の危機再来か?

40.5度の高熱の12歳の息子は即入院(1月9日)
40.5度の高熱の12歳の息子は即入院(1月9日)
  血小板が27万個まで回復した著者(1月9日)
血小板が27万個まで回復した著者(1月9日)
デング熱防疫対策で自宅周辺殺虫剤散布(1月10日)
デング熱防疫対策で自宅周辺殺虫剤散布(1月10日)

著者の熱は下がってきたが、今度は中学1年(12歳)の息子が40.5度の高熱を出した。2021年8月のデルタ株による一家全員感染の悪夢がよみがえってきた。この時は、92歳の実母を筆頭に全員がデルタ株に感染して最後に私が入院した。母はICUで99%助からないというところを奇跡的に回復、私も中等症と命に危険な状況であった。またもや、その時と同じ家族全員が感染という悪夢がよみがえった。息子は政府系病院で検査をしたら、デング出血熱で即入院となった。一方、私は再度、血液検査をしたところ、6万個まで減少していた血小板は27万個まで回復していた。あとはほかの家族に感染していないことをいのるだけだ。1月20日現在のところ、他の家族は元気な状況。12歳の息子も快方に向かっている。

T.W.Y.Co.,Ltd バンコク都市開発研究所 顧問 愛川裕二

顧問 愛川裕二
顧問 愛川裕二
1983年より30年間㈱大京に勤務。ビル事業、マンション本部、企画部門に配属後、1987年不動産研究誌「ランドビジネス」(経済白書にも引用)編集長となる。1990年大京総合研究所課長を経て、1992年より建設省と国土庁の外郭団体財団法人土地総合研究所に出向、定期借地研究会事務局責任者等土地政策に貢献。2001年「軽井沢ホットスプリング」開発運営責任者となり、日本一のペット可能宿泊施設(年間2万人犬4千匹宿泊)にする。2006年以降PM,AM、コンプラ等を経て、2017年よりTWY社顧問。 不動産コンサルテイングマスター、不動産証券化協会認定マスター、ビル経営管理士、コンプライアンスオフィサー、再開発プランナー
 
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あぱまん情報の広告2023年2月5日 タイ自由ランド掲載

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