あぱまん情報8月5日号掲載T.W.Y. バンコク都市開発研究所 日本食レストラン
海外の日本食レストラン15.9万店に 海外の日本食レストランは、2017年11万店、2019年には15万店を突破し、2021年7月時点で約15.9万店となった(図表1)。コロナの影響により、2019年から2021年の出店数は微増にとどまっているが、2006年からの15年間で6.6倍に増えている。アジア圏がトップで、10万店舗以上となっている。これは、日本から近く比較的出店しやすいというのが一番の理由であろう。元来日本食は「低カロリーでヘルシーな料理」として海外で好まれていたが、2013年にユネスコの無形文化遺産に登録されたことがきっかけで一気に世界的認知度が高まり、出店数の増加につながったと考えられる。
タイ 日本産食材サポーター店舗数3位に! こうした日本食ブームを背景に、海外で日本産食材を扱う飲食店や小売店を「日本産食材サポーター店」として認定する制度を農林水産省は2016年にスタートした。飲食店の場合、「日本産食材を使用した料理を常に提供」「食材が日本産であることをメニューなどで説明」「接客時に日本産の魅力や特徴をPRする」などの条件を満たすとサポーター店として認定される。サポーター店は2016年度末172店舗から2023年5月末7,850店舗と7年ほどで45倍以上に増えている。タイは、オーストラリア、香港に続いて第3位の店舗数となっている。日本産食材の魅力を発信する海外拠点として、農畜産物の輸出拡大にも期待がかかる(図表2)。
タイの日本食レストランが5,000店舗突破! タイで日本食レストランが人気だ。日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、2022年は5,325店(前年比21.9%増)と、統計を開始した2007年以降で最多となった。経済成長で所得水準が向上し、日本食材への需要が高まっている(図表3)。業種別で最も多かったのが寿司で1,431店舗、日本食(日本料理全般など)が1,273店舗と続く(図表5)。 タイで、ここまで日本食が人気となっている背景には、経済成長で生活が豊かになり、旅行や外食にお金をかけられるようになった中間層の存在がある。日本に来るタイ人は、2019年には、10年前のおよそ7倍の131万人を超えた(図表4)。7割はリピーターという。かつての日本食市場は、タイ進出の日本企業の日本人駐在員などをターゲットにしたものであった。現在は、日本へ旅行したタイ人によって本物の日本食にニーズが高まっている。
タイ人は魚料理が好き?! 2022年の日本食レストランの新規店舗は、1,404店舗でほぼ全てのカテゴリーで増加したが、昨年度に続き、寿司、日本食、ラーメンの新規店舗が目立つ。一方、コロナの影響で店舗数が減少していた居酒屋であるが、2022年の店舗数増加率は、34.2%と最も高い(図表5)。これは、バンコク近郊や地方での出店が大幅に伸びたことに起因する。 ところで、タイやインドネシア、香港、台湾などで日本のトレンドや観光情報などを発信してる「FUN!JAPAN」が行った調査によると、タイ人が好きな料理に、何と意外にも3位に「魚料理(焼き魚、煮魚、刺身)」が入っている(図表6)。 このようなこともあり、寿司や日本食、居酒屋などの需要が高くなっていると考えられる。
居酒屋「ばんばん」がトンローにオープン あぱまん情報のTWY社の顧客である㈱バズバズキッチン(金沢市)がトンローに駅前酒場「ばんばん」を今年7月オープンした。場所はトンロー駅前のホテルニッコーバンコクの反対側のトンロー通りに面している3階建店舗である(図表7)。 現在、同社は石川県金沢市を中心に炭焼き・手羽先唐揚げ・串焼きなど居酒屋を複数運営しているが、バンコクの居酒屋需要が高いと見込み今回出店したという。 このように新たに開業しようとしている日本食レストランは多く、2023年はさらに出店数の拡大が予測される。
2023年8月5日 タイ自由ランド掲載