【なつかしい記事】アムパワー水上マーケットへ行ってみました
バンコクから車で1時間半程で行け、気軽に日帰りできる観光スポット、サムットソンクラーム県のアムパワー水上マーケットへ行ってみました。
マーケットは毎週金土日の週末のみ開いており、昼過ぎから夜8時頃までが賑やかです。
ダムヌンサドゥアックやタリンチャンなど、タイ各地に、水上マーケットはありますが、どこでも同じようなものを売っていて、古き良き時代を求める観光客向けの演出がされており、アムパワーも予想通りの光景でした。アムパワーに昼に来て、ちょっと見学して帰ったら、混雑したマーケットという感想しか残らなかったかもしれません。
最初はどちらかというとネガティブな印象を持ったアムパワーでしたが、日が暮れるとともに、その印象は大きく変わりました。
暗くなるとマーケットの主役は土産物屋や屋台船からレストランやパブへと交代します。ほとんどの人が日帰り客で帰ってしまうので、夜になると、急に静かになりました。観光客でごった返す水上マーケットから、しっとり落ち着いた水辺の街に姿を変え、灯りが運河に映り、ロマンティックな雰囲気さえあります。
夜の雰囲気を堪能し、深夜バンコクに帰ることも可能ですが、今回は、川沿いのゲストハウスで一泊しました。その価値は十分ありました。宿泊してこそ感じる魅力がアムパワーにはあります。水上マーケット周辺に宿泊施設はたくさんありますが、夜の雰囲気を満喫するには運河沿いの宿がおすすめです。ホームステイができる家も運河沿いに点在しています。
アムパワーは蛍を見に行くボートツアーが人気で、夜8時にゲストハウスを出発する蛍見学ツアーに参加しました。約一時間の行程で60バーツは安いです。
運河から幅の広いメークロン川にでると、開放感一杯で、風が気持ちよく蛍抜きでも楽しめます。
しばらく行くと船頭がエンジンを止め、あそこに居るよと水辺の木を指さしました。良く見ると、チカチカ点滅している光が見えます。さらに進むともっといっぱい居るスポットがありました。
日本の蛍より、点滅の間隔が速く、クリスマスツリーのようです。実はこれは観光客を呼ぶための電飾だと言う人がいましたが、蛍はボートに向かっていっぱい飛んできて、簡単に捕まえることが出来たので、間違いなく本物です。光る蛍を自分の手のひらに乗せたのは、初めてで新鮮な体験でした。本物の自然に触れられるアトラクションで子どもは大喜びしそうです。
ボートからふと空を見上げると満天の星空でした。余計な灯りがなく空気がきれいなので、まさに星が降ってくるようです。バンコクで暮らしていると、星を見る機会がないですね。満天の星空に蛍が飛び交う光景は、幻想的でした。
宿へ戻り水辺のテーブルに座って、のんびりしていると、近くのパブからライブ演奏が聞こえてきました。隣の民家はサッカー観戦で盛り上がっていました。平和だなとしみじみ感じるひとときです。こういうのを贅沢な時間というのでしょうか。
アムパワーで一泊するもうひとつの醍醐味は、朝の托鉢の光景です。水上の街だけあって、多くのお坊さんがボートに乗ってやってきます。宿に頼むとお供え物を用意してくれました。静かな水面を行くお坊さんの船は、古い映画のワンシーンの様です。
朝早く起きたので、運河沿いをマーケットと反対側に歩いてみると、本物のタイ人の水辺の暮らしが垣間見れました。行きかうボートも観光客向けではありません。
しかし運河沿いには、場違いな洋風の大きなホテルやレストランも出来ていて、観光地として人気が高まると、過度の開発とそれによって失われてしまう風情という問題が必ず出てきます。
地元の人から場所を借り、週末だけバンコクから出てきて、屋台やカフェを開く人も増えているようです。
運河沿いの古き良き時代を思わせる商店街と観光地としてのアトラクションが、上手く融合しているアムパワーは、ぜひこの雰囲気を守り抜いてほしいものです。
2016年6月20日 タイ自由ランド掲載
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