あぱまん情報2023年3月5日掲載 T.W.Y. バンコク都市開発研究所 タイのゴルフ会員権事情とコスト比較
日本のゴルフ会員権価格は低水準で推移
バブル崩壊で急落した日本の相場性商品のその後の展開は明暗が分かれている。ゴルフ会員権価格は「暗」で回復力の鈍さが際立っている。2000年を100とする指数の推移(図表1)を見ると、2015年~20年末の40前後と低水準で推移してきた。しかしながら、底這い状態から一転して、21年末に48、22年3月には50まで指数が上昇した。この上昇の理由は、会員権価格が消費税込みの表示となった影響もあるが、それ以上にコロナ禍で安心して楽しめる屋外スポーツとしてゴルフ人気が高まったことによるものだ。それでも依然日経平均株価に比べて低評価となっている。
タイのゴルフ会員権事情
タイは日本とは違い、ほとんどのゴルフ会員権が30年間有効の会員権として発行されている。これらのゴルフ場の多くが1990年代開場ということもあり、これらの会員権の残存期間が残り数年ほどとなっている。そのため、数年の利用を目的という人にとっては、価格の安さで人気があるが、長く続けてゴルフを行うことを目的とする人にとっては、会員権購入の動機とならない。
バンコクのゴルフ会員権のうち生涯会員型については、(図表2)の通り、2010年位までは、大幅な上昇傾向にあったが、その後は横這いを続けている。このことから、これから生涯会員型会員権を購入する場合は、キャピタルゲインは考えない方が良いであろう。
ゴルフ会員権は買った方が得か?
「ゴルフ会員権は買った方が得か?」という質問がよくでるが、結論からいうと、この判断は利用状況からおこなうのが望ましい。会員権購入については、年齢・性別、ゴルフ歴、腕前等それぞれによって一概には言えないが、毎日、散歩がてらプレーしたり、仲間と週末定期的にゴルフをしている方にとっては、買った方がお得でしょう。法人が高級なゴルフ場を営業や接待用に利用するのもお得になるでしょう。
また、チェンマイやプーケットなどではグリーンフィーが高いゴルフ場が多く、特にロングステーヤーなどは会員になって毎回同じコースに通う人が多い。この場合もお得だ。
ところで、(図表3)は、毎週1回ゴルフをした時の年間コスト・1回あたりコストを比較したものである。これによると、2021年開場したバンラカットクラブがコストとしては最も高い。これは会員権と年間会費が高く、さらに計算上減価償却しているためである。同じ、30年会員型のラムルッカは、残2年ということで会員権が安くなっており、結果一回当たりのコストは低くなっている。
ゴルフ会員権の条件がばらばらのため、上記の計算式で概算費用を算出
会員権相場、会費、グリーンフィーは調査時点の数値であり、現状では変動している可能性あり。
名義変更料は別途必要(ゴルフ場で異なる2~9万バーツ)。
バンラカットクラブ(30年)は年間コストに減価分(会員権相場×1/29)を上乗せする。
ラムルッカは(30年)は年間コストに減価分(会員権相場×1/2)を上乗せする。
コスト(回)は、年間コスト÷55回(週1回)、週1回プレーした場合の1回あたりの実質コストとなる。
コストには、キャディフィ、カートフィーは含まない。
(資料)加藤ゴルフ、タイランド最新ゴルフ情報 等から作成
流動性の高い会員権を選ぶ
日本に住んでいて、一年に何度かバンコクに来る程度なら、色々なコースでプレーした方が楽しいし、採算も良い。ただ、なかには採算よりステータスとして持ちたいという人にとっては、保有する価値はあるだろう。
ところで、会員権購入にあたっては、いくつか注意が必要だ。高級ゴルフ場だと、ゲストは1回5,000バーツ前後かかるところもある。値段が高いので一緒にラウンドする知人がだんだんいなくなると、嘆く人も多いようだ。また、日本では月例コンペ開催など、メンバーを大切にする意識が強いが、タイではそれを期待できないゴルフ場もあるので、確認が必要だ。さらに、タイのゴルフ会員権は、日本とは違い、1年単位・5年単位・10年単位・30年会員型・生涯会員型、名義変更料、年/月会費など、コースによって大きく条件が異なる。また、年会費が突然大幅に上昇するゴルフ場もあるので注意が必要。日本の感覚で料金だけを見て購入してしまうと、後で後悔することになる。
やはり、ゴルフ会員権の購入で重要なのは、流動性が高いかどうかであろう。いざ、売却する時にお客さんがいないため売れない、極端に低い金額で売却ということもある。会員権購入の際には十分に勉強し、購入いただきたい。
ゴルフ会員権売ります
バンラカットクラブ
BALLYSHEAR GOLF LINKS
レギュラーメンバー法人
残29年(~2051年12月20日)
募集価格(200万バーツ)の20%引きで売却いたします。
名義料はオーナーが負担いたします。
オーナー直Eメール:yamaguchi@apamanbkk.com 山口まで
T.W.Y.Co.,Ltd バンコク都市開発研究所
顧問 愛川裕二
1983年より30年間㈱大京に勤務。ビル事業、マンション本部、企画部門に配属後、1987年不動産研究誌「ランドビジネス」(経済白書にも引用)編集長となる。1990年大京総合研究所課長を経て、1992年より建設省と国土庁の外郭団体財団法人土地総合研究所に出向、定期借地研究会事務局責任者等土地政策に貢献。2001年「軽井沢ホットスプリング」開発運営責任者となり、日本一のペット可能宿泊施設(年間2万人犬4千匹宿泊)にする。2006年以降PM,AM、コンプラ等を経て、2017年よりTWY社顧問。
不動産コンサルテイングマスター、不動産証券化協会認定マスター、ビル経営管理士、コンプライアンスオフィサー、再開発プランナー
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