第3章-36 戦前のバンコク 西野順治郎 列伝 52 終戦玉音放送と著者からのお礼とお願い
しばらくして、石川総領事がマイクの前に立ちました。
「皆さん、只今大使閣下が代読された勅語の通り、日本政府は連合国から提示されたポツダム宣言を受諾して戦争を終結することになりました。」
(著者注:終戦当時日本大使館は、現在のインドネシア大使館の所にあり)
「いずれタイにも連合国軍が進駐してくると思いますが、在留邦人の安全につきましては、タイ政府と連絡を取りつつ万全を期するよう努力致しますから、各自冷静に行動されるようお願いします。また朝鮮、台湾出身者は日本国籍を離脱することになると思いますが、特に引き続いて日本国籍を持続することを希望される方は、早めに大使館に申し出て下さい」と総領事は淡々と述べました。
戦争が終わると、これまで「ほしがりません、勝つまでは」とか「1億玉砕」などと叫んで、盲目的に戦争にかり出されていた日本国民の大部分は、全く予期しない衝撃を受けました。
その反面、これで敵機の空襲もなくなり何とか命だけは助かったという安堵感が交錯し、全く虚脱状況に陥りました。
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ちなみに、終戦記念日は「全国戦没者追悼式」として政府主催で毎年8月15日日本武道館にて行われています。
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著者からのお礼
2年前からこのシリーズ「西野順治郎列伝」を開始して、お陰さまで第52回目をお届けする事が出来ました。
今回を持ちまして、戦前編を終了いたします。読者の皆さん、毎回愛読頂きありがとうございます。
今後は、バンブアトン収容所、日本への引き上げ、外務省登庁、トーメン社入社、そして再び来タイへと続きます。
このシリーズは、今のところ約200回を目指しています。
よって、約6年後に完結する予定です。私事になりますが、現在74歳なので80歳になります。
その間、健康に留意して最後まで連載を続けたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
また、この紙面をお借りして、取材に協力頂いた皆さんにお礼申し上げます。
将来、完結後書籍として出版する事を夢見ています。更にその上、5年後の日タイ修好140年記念として、この作品が映画化されることを願望しています。
最後に日本とタイの友好が今後とも末永く続きますよう万歳。(万歳三唱)
(次回号へ続く)
2022年9月20日 タイ自由ランド掲載