あぱまん情報2021年4月20日掲載
少子化の波はタイにまで
少子高齢化で先行した日本は1995年に生産年齢人口(15~64歳)がピークをつけ、総人口も2008年をピークに減り始めた。合計特殊出生率(注1)も年々減少し、2005年には1.26まで落ち込む。その後、幾らかは持ち直し、2018年は1.42となる。 タイでは、1980年3.39あったが、右肩下がりで、1993年に2.06と人口置換水準2.1(注2)を下回り、2018年には1.53まで減少を続けており、アジアでは出生率ワースト5となっている(図表1)。2040年までには出生率が1.3まで低下する恐れがあるという。なお、バンコクに限っては現在0.8ともいわれている。
女性の高学歴化が晩婚化、未婚化へ?
他のアジア諸国同様、医療技術発展に伴いタイの平均寿命は延び、高齢化に拍車がかかっている。一方、人口抑制策を進める中、タイの大学進学率は50%を超え、特に女性の高学歴化による社会進出拡大で晩婚化、未婚化が急増している。2019年の大学生の男女割合は、男子学生40%に対し女子学生は1.5倍の60%にまで拡大している(図表2)。一方で、タイでは未成年者の出産率が増加しており1958年の6%から2012年には17%に上昇するなど、社会問題化している(WHO10%以内目標)。
女性が結婚しない理由は育児問題か?
経済研究機関等の調べによると、大卒で結婚していないタイ人女性は50~60%にも及び、以前は大卒で子供を持つ数は平均1.5人であったが、今では0.5人に減っているという。大卒の女性が結婚しない理由は、主に結婚後の子供の養育の問題となっているようだ。働きながら仕事を続けるための政府の援助がほとんどないことがあげられている(図表3)。今後、タイ政府による子供を持つタイ人女性への支援が急務となっていくであろう。
■タイ人取説「結婚したがらないタイ人」
タイ人の取扱説明書(全42話)の第41話には、「結婚したがらないタイ人」について掲載している。近年、日本の若者の様々な「〇〇離れ」が叫ばれているが、タイの若者の趣向も変化している。その中の一つが、結婚離れ。ここでは、タイ人の結婚観のお話しをします。ご興味のある方はQRコードでYouTubeにアクセスしてみてください。 (注1)女性1人が衣装で出産する子供の平均数。 (注2)人口が増加も減少もしない均衡した状態となる合計出生率のことをいう。
2021年4月20日 タイ自由ランド掲載