【サムライ女子はつらいよバンコク】年末SP4 忘年会は激辛道…からの防臭大作戦!?
料理の好みはみんな違って当たり前。でも、そこから生まれるドラマや友情って、なんだかとても素敵だと思いませんか?今回の瑠奈たちのように、時には「激辛対決」なんて珍しい企画から、思いがけない展開や絆が生まれることもあります。
最後は予想外の結末になってしまいましたが、これもまた良い思い出。完璧じゃない時こそ、みんなで笑い合えるのが本当の友情かもしれません。
バンコクの夜空の下、個性豊かなキャラクターたちと一緒に、あなたも少し笑顔になってくれたら嬉しいです。✨
#バンコク #忘年会 #友情 #激辛グルメ #日タイ交流
年末のバンコク。キラキラ輝くイルミネーションが街を彩り、華やかなムードが漂う中、瑠奈は大学時代の友人たちと忘年会を開くことになった。
「今年は、最初っから最後までアットホームで最高に楽しい忘年会にするぞー!」
瑠奈は、気合十分に宣言した。しかし、そうは問屋がおろさないのが世の常。最初の難関は、お店選びだった。
「やっぱ、タイ料理でしょ!トムヤムクンとか、辛い料理で盛り上がろうぜ!」
「いやいや、忘年会はやっぱり日本食でしょ!鍋とか、焼き鳥とか!」
「えー、韓国料理も捨てがたいなぁ。サムギョプサルとか、チーズタッカルビとか!」
友人たちの意見は全くまとまらず、LINEグループは大混乱に陥っていた。
「あーもう!こんなに意見がバラバラじゃ、お店決められないじゃん!」
瑠奈は頭を抱えた。
その時、瑠奈の脳裏に、あるアイデアが閃いた。
「そうだ! 激辛料理対決で、お店を決めようぜ!」
瑠奈の提案に、友人たちは興味津々。
「お、面白そうじゃん!」
「誰が、一番辛いものを食べれるか競争しようぜ!」
「いいねいいね!負けた人は、罰ゲームでお店の会計担当ね!」
こうして、瑠奈たちの忘年会は、「激辛料理道~誰が最強の辛党だ!?~」という、前代未聞のイベントへと変貌を遂げたのであった。
参戦者紹介!
<参加者>
本能寺瑠奈:今回の忘年会の主催者。Z世代女子大生。頭の中には戦国武将・山田長政の魂が宿っている。辛いものは苦手だが、負けず嫌いな性格。
ソム:瑠奈の親友の美しいレディーボーイ。タイ人。辛いものが大好きで、激辛料理には自信がある。
亀次郎:瑠奈のアパートに居候中の、昭和からタイムスリップしてきた江戸っ子。 辛いものは苦手だが、江戸っ子魂でチャレンジする。
山田長政:瑠奈の頭の中に住む戦国武将。 瑠奈を通して、現代の激辛料理を体験する。
第一ラウンド:激辛日本ラーメン対決!🔥🍜
最初の挑戦は、激辛日本ラーメン。真っ赤なスープに、大量の唐辛子が浮かんでいる。見るからに辛そうなラーメンに、友人たちは戦々恐々としていた。
「うっ… これ、マジでヤバそう…」
「でも、ここでビビッてたら、男がすたるってもんだろ!」
意を決した友人たちは、恐る恐るラーメンをすすり始めた。
「かっ…からっ…!」
「うぐっ… 辛い…けど…う…うまい…!」
「ヒーッ… ハァハァ… 水… 水くれ…!」
友人たちは、汗と涙を流しながら、激辛ラーメンと格闘していた。
「瑠奈、大丈夫か? 顔色が悪いぞ。」
心配そうに声をかけてきたのは、ソムだった。
「だ、大丈夫… まだ… いける…」
瑠奈は、唇を真っ赤にしながら、必死にラーメンをすすっていた。
しかし、その努力も虚しく、瑠奈は最初の脱落者となってしまった。
「ううっ… 辛い… 限界…」
瑠奈は、テーブルに突っ伏し、ギブアップ宣言。
『瑠奈よ、情けないぞ!武士たるもの、辛さにも負けぬ心を持て!』
瑠奈の頭の中で、山田長政が叱責する声が響いた。
「う、うるさいなぁ… 長政さん… これは、本当に辛いんだよ…」
瑠奈は、涙目で反論した。
一方、亀次郎はというと…
「へぇ…これが現代の激辛ラーメンってやつか… なかなか、やるじゃねえか…」
と、余裕の表情を見せていた。しかし、内心では…
「からっ! からすぎるぜ! この唐辛子、一体何本入ってんだ!? けど… 江戸っ子の意地で… 見せつけてやるぜ…!」
と、必死に辛さに耐えていた。
しかし、亀次郎も、瑠奈に続いてギブアップ。
「ううっ… 参った… これは… 敵わねえ…」
亀次郎は、テーブルの上に突っ伏し、白旗をあげた。
第二ラウンド:激辛トムヤムクン対決!🔥🌶️
第二ラウンドは、タイの代表的な激辛料理、トムヤムクン。酸味と辛味が絶妙に調和したスープは、日本人にとっても馴染み深い味だ。
「よし!トムヤムクンなら、自信あるぞ!」
「私も、トムヤムクン大好き!」
友人たちは、意気揚々とトムヤムクンに挑んだ。
しかし、このトムヤムクン、ただものではなかった。大量のプリッキーヌ(タイの激辛唐辛子)が投入されており、一口飲むだけで、口の中が火を噴くような辛さだった。
「かっ…からっ…! これは… やばい…!」
「う、ううっ… 胃が… 燃える…!」
「ヒーッ… ハァハァ… もう… ダメだ…」
次々と脱落者が出ていく中、最後まで残ったのは、瑠奈とソムだった。
「瑠奈、やるじゃない!負けないわよ!」
ソムは、涼しい顔でトムヤムクンをすすっていた。辛いものが苦手な瑠奈とは対照的に、ソムは、激辛料理が大好物なのだ。
「く… くっそー… 負けない…!」
瑠奈も、意地でトムヤムクンを飲み干そうとするが、限界が近づいていた。
「瑠奈、大丈夫か?顔が真っ赤だぞ!」
心配そうに声をかけてきたのは、トムヤムクン対決には参加していなかった亀次郎だった。
「亀次郎さん… もう… 限界…」
瑠奈は、涙目で訴えた。
「よし、瑠奈!わしが助けてやる!江戸っ子秘伝の辛さ消し!!」
亀次郎は、懐から小さな瓶を取り出した。中には、謎の白い粉が入っている。
「な、なんだい、そりゃ?」
瑠奈は、興味津々に尋ねた。
「これはな、わしの故郷、江戸で代々伝わる秘伝の薬だ!どんな辛さでも、一瞬で消してくれる!」
亀次郎は、自信満々に答えた。
「へぇ… すごいじゃん、亀次郎さん!」
瑠奈は、亀次郎から白い粉を受け取り、トムヤムクンに混ぜてみた。
「え…? なんだこれ…?」
白い粉を混ぜた瞬間、トムヤムクンの色が、真っ赤から真っ白に変化した。
「な、なんだこれは…!? まさか…」
ソムは、目の前の光景に驚きを隠せない。
「これは… 江戸っ子秘伝の豆腐!?」
亀次郎は、ドヤ顔で宣言した。
「豆腐…?」
瑠奈は、首を傾げた。
「そう! この白い粉は、豆腐を作るための凝固剤なんだ! トムヤムクンに混ぜると、豆腐ができるってわけさ!」
亀次郎は、得意げに説明した。
「へぇ… 亀次郎さん、すごいじゃん! これで、辛さが消えるね!」
瑠奈は、喜びの声を上げた。
「ちょっと! それは反則でしょう!?」
ソムは、抗議の声を上げたが、時すでに遅し。瑠奈は、豆腐になったトムヤムクンをペロリと平らげてしまった。
「ごちそうさまでした!」
瑠奈は、満面の笑みで言った。
「くっそー… 負けた…」
ソムは、悔しそうに唇を噛んだ。
最終決戦:激辛火鍋対決!🔥🍲
激辛日本ラーメン、激辛トムヤムクン、激辛カレー、激辛韓国料理、激辛鍋… 様々な激辛料理対決を勝ち抜いたのは、なんと瑠奈とソムだった。
「まさか… 最終決戦が、瑠奈とソムの対決になるとは…」
「これは… 予想外の展開だ…」
友人たちは、固唾を飲んで見守っていた。
最終決戦の舞台は、激辛火鍋。真っ赤なスープがグツグツと煮えたぎる鍋の中には、大量の唐辛子や山椒、そして、見たこともない香辛料がゴロゴロと入っている。
「これは… 絶対にヤバいやつだ…」
「二人とも… 無茶しないでね…」
友人たちは、心配そうに声をかける。
瑠奈は、ソムと目を合わせ、静かに頷いた。
「ソム、絶対に負けないわよ!」
「瑠奈もね!覚悟しておいて!」
二人は、意を決して、火鍋のスープを口にした。
「かっ… からっ…!」
「ひぃぃぃ… 辛い…!」
口の中が burning! 胃が burning! 全身が burning!
しかし、二人は諦めない。
「私は… 絶対に… 負けない…!」
瑠奈は、涙と鼻水を流しながら、火鍋を食べ続ける。
「瑠奈… あなた… すごいわ…」
ソムも、瑠奈の根性に驚きを隠せない。
そして… ついに…
「ぷっ…」
瑠奈のお腹から、大きな音が…
「え…? な、なに…?」
友人たちは、キョトンとした顔で瑠奈を見る。
次の瞬間…
「くっさーーー!!!」
強烈な悪臭が、店中に広がった。
「うっ… うわっ… な、なんだ… この匂いは…!」
「げっ… くっさ… これは… マジで… やばい…」
「ううっ… 気持ち悪い… もう… 無理…」
友人たちは、次々と席を立ち、部屋から逃げ出していく。
「瑠奈… あなた… すごいわね…」
ソムだけが、鼻をつまみながらも、瑠奈の隣に座っていた。
「えへへ… ごめん… 緊張すると… たまに… こうなるんだよね…」
瑠奈は、真っ赤な顔で謝った。
こうして、瑠奈たちの忘年会は、「激辛料理道」から**「防臭会」**へと変貌を遂げ、幕を閉じたのであった…
『瑠奈よ… わしは… お主の… その… 強さに… 感服したぞ…』
瑠奈の頭の中で、山田長政が、鼻をつまみながらに涙声で言った。