【なつかしい記事】移りゆくタイ
今年のタイはどのように変わっていくのだろう。
軍事政権が続き、今年に選挙が行われるといわれるが、このままで行けば来年にずれ込む可能性もある。
果てしなく、終わりのない闘いを終結し、庶民に安定した生活を確保してくれた点で、今の政権に感謝しなくてはいけない。しかし、対外的には「民主的でない」と批判されるかも知れない。
つかの間の安定した政権のもと、経済は低迷しているといわれるが、一方で、インフレは進み、街中の消費財なども値上げされ、ひと皿ごはんも25バーツから30、35、40バーツへと上がっており、先月、タクシー代も上がり、それらに伴って人件費も急速に上がっている。
企業などでの採用も、経理士や技術者などは不足しており、来てもらうためには給料を上げざるを得ない。人手不足は深刻だ。1年前、2万バーツでよかった経理士は25000バーツと上がっている。
物価高、人件費高、不安定な政局など、タイでの投資のメリットが薄れるなか、周辺の国へと移っていく企業なども多いだろう。ベトナムやインドネシア、ミャンマー、インドなどである。
それでも、東南アジアではまずタイへ、と進出してくる日本の中小企業は跡をたたない。タイを拠点にベトナムやインドネシアに進出する方向を模索する。
消費税については、7%が今年末まで据え置かれ、軍事政権は大きな問題を回避した格好だ。
円安がここ数カ月で進み、日本人高齢者のタイでのロングステイに直接、打撃を与えている。毎月、年金を10万円持ってきて生活していた人は、35000バーツが27000バーツへと目減りしてしまった。それでいて物価が上がり、日本食なども定食で300バーツ=1000円以上にもなるため、帰国を決断する人もいる。
コンドミニアムの購入についても、急激な円安で、今の時期はじっと我慢するという人も多いだろう。
一方、タイ人への販促は活発だ。日本行きが15日間、ビザなしとなり、日本旅行が一種のブームだ。円安も相まってタイ人にはとっても割安感がある。そこに目をつけて、タイ人へのパッケージ旅行をアピールする日本の旅行社も多い。
また、日本から次々進出する居酒屋チェーン店なども、タイ人をターゲットにして、日本料理好きのタイ人を取り込んでいる。
以前は、値が張る日本料理店は日本人駐在員が行くところだったが、今や逆転し、タイ人が普通に行くところとなり、日本人の肩身はせまくなっている、というイメージだ。
2015年1月5日 タイ自由ランド掲載