【タイの田舎の小さな家から】タイ古式マッサージを30日で学ぶ|Day6|タイ人の生活に根付くマッサージ文化

Day6|タイ人の生活に根付くマッサージ文化
なぜ子どもから高齢者まで、触れ合うのが当たり前なのか
タイで暮らしていると、
ふとした場面でこんな光景を目にします。
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祖母が孫の肩を揉んでいる
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親が子どもの足をさすっている
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市場の片隅で、友人同士が自然に体を触っている
タイでは、
マッサージは特別な行為ではありません。
それは、
生活の一部であり、
思いやりの延長線にある行為なのです。
■ 「触れる=失礼」ではない文化
日本では、
大人同士が体に触れることに
どこか慎重になります。
でもタイでは、
触れること=気遣い。
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疲れていそう
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元気がなさそう
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体がこわばっている
そう感じたとき、
自然に手が伸びます。
言葉よりも先に、
手で伝えるコミュニケーションが
根付いているのです。
■ 家庭内マッサージという日常
タイでは、
マッサージスクールに通わなくても、
簡単なマッサージは誰もができます。
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母から娘へ
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祖父から孫へ
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近所のおばさんから子どもへ
見よう見まねで覚え、
自然に受け継がれてきました。
これは
「教えられた技術」ではなく、
暮らしの知恵なのです。
■ 仏教的な「功徳を積む」行為
タイは敬虔な仏教国。
ここで大切なのが、
**功徳(タンブン)**という考え方です。
人を助ける
人を楽にする
人の苦しみを減らす
これらはすべて、
良い行い=功徳になります。
マッサージは、
その中でもとても身近な方法。
だからこそ、
施術の前に手を合わせる人が多いのです。
■ 子どもが触れられて育つ理由
タイの子どもは、
小さいころから
たくさん触れられて育ちます。
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頭をなでられる
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足をさすられる
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背中を軽く押される
これは甘やかしではなく、
安心感を育てる行為。
「自分は大切にされている」
その感覚が、
自然に身体に刻まれていきます。
■ 高齢者にとってのマッサージ
高齢者にとっても、
マッサージは欠かせません。
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血流を促す
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体を動かしやすくする
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孤独を和らげる
そして何より、
人とつながっている感覚を保つ役割があります。
タイでは、
「年をとっても触れられなくなる」
ということが、ほとんどありません。
■ なぜ“当たり前”として残ったのか
理由はシンプルです。
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暑い気候で体が疲れやすい
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医療にすぐ頼れなかった時代が長い
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共同体で支え合う文化があった
その中で、
手を使ったケアが最も現実的だった。
だからマッサージは、
生活の中に溶け込み、
今も自然に続いているのです。
■ マッサージは「技」より「態度」
タイ古式マッサージの本質は、
高度なテクニックではありません。
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相手を思う気持ち
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無理をしない
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押しつけない
この態度こそが、
タイのマッサージ文化を支えています。
■ タイで暮らしているから見えること
観光で来ただけでは、
マッサージは「サービス」に見えるかもしれません。
でも、
暮らしてみるとわかります。
あれは、
人と人が生きるための知恵だということを。

「他国のマッサージ(指圧・整体・スウェディッシュ)との違い」
なぜタイ古式は“別ジャンル”なのかを整理します。






















