【タイの田舎の小さな家から】タイの有名なお寺を30日で学ぶ Day 8|ワット・プラケオ(エメラルド寺院)

Day 9
「ワット・ポー」
巨大な寝釈迦仏と、
「癒しの寺」と呼ばれる理由を解説します。
バンコク旧市街、王宮のすぐ南に広がるワット・ポー(正式名:ワット・プラチェートゥポン)。
観光客には「巨大な寝釈迦仏のお寺」として有名ですが、実はここ――
**タイにおける“癒しと知の総本山”**でもあります。
■ 圧倒的存在感「寝釈迦仏(涅槃仏)」
ワット・ポー最大の見どころは、
全長 約46メートル、高さ 約15メートル の黄金の寝釈迦仏。
このポーズは単なる「横になっている仏様」ではありません。
寝釈迦仏が意味するもの
-
釈迦が悟りを完成させ、涅槃に入る直前の姿
-
「死」ではなく、苦しみからの完全な解放
-
この世の無常と、執着を手放す境地
顔は穏やかで、目は半眼。
恐れも悲しみもなく、完全に静かな境地を表しています。
■ 足の裏に描かれた“宇宙”
寝釈迦仏の足の裏には、
108の吉祥文様が精密な螺鈿(らでん)で描かれています。
これは、
-
宇宙観
-
仏の完全性
-
人間が到達しうる理想の姿
を象徴するもの。
ただ大きいだけでなく、
仏教哲学そのものが身体に刻まれている仏像なのです。
■ ワット・ポーは「癒しの寺」
ワット・ポーが特別なのは、仏像だけではありません。
タイ伝統医学の総本山
-
タイ古式マッサージ発祥の地
-
王立の伝統医学学校が今も存在
-
敷地内には実際に施術を受けられる施設も
境内の回廊や壁には、
-
人体図
-
ツボ
-
ストレッチ法
-
ハーブ医学の知識
が石版として刻まれています。
これはかつて、
「知識を文字でなく石に刻み、民衆に開放した」
世界的にも非常に珍しい試みでした。
■ なぜ“癒し”なのか?
ワット・ポーの癒しは、単なるリラクゼーションではありません。
-
仏教的な「心の癒し」
-
身体のバランスを整える医学
-
知識を独占しない精神
この3つがそろっているからこそ、
ワット・ポーは
身体・心・知恵を同時に整える寺
と呼ばれるのです。
■ お寺が“読める”ポイント(Day 9)
ワット・ポーを訪れるときは、
ぜひこんな視点で見てみてください。
-
寝釈迦仏の「静けさ」
-
足の裏に込められた宇宙観
-
壁や石板に残る“知の痕跡”
-
マッサージ=娯楽ではなく「修行の延長」という考え方
するとここは、
巨大な観光地ではなく、癒しの思想空間に見えてきます。
次回予告(Day 10)

「托鉢(たくはつ)の意味」
なぜタイの僧侶は毎朝、裸足で街を歩くのか?
そこにある“与える側・受け取る側”の本当の関係を解説します。
――
タイのお寺は、
知れば知るほど、静かに深くなっていきます。


















