【タイの田舎の小さな家から】タイの有名なお寺を30日で学ぶ Day 15 「なぜタイのお寺には女性僧がいないのか?」

Day 15
「なぜタイのお寺には女性僧がいないのか?」
歴史・戒律・現代の変化を、
やさしく解説します。
タイのお寺を訪れると、
ふと気づくことがあります。
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僧侶はすべて男性
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女性は白い服で修行している
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「女性僧」を見かけない
これは差別なのでしょうか?
それとも、別の理由があるのでしょうか。
答えは一つではありません。
歴史・戒律・社会の事情が重なった結果です。
■ もともと仏教に女性僧はいなかった?
いいえ。
実は、仏教の始まりには
**正式な女性僧(比丘尼)**が存在しました。
釈迦の時代、
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男性僧(比丘)
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女性僧(比丘尼)
は、共に修行していました。
つまり、
女性が悟りを開けないという教えは存在しません。
■ なぜタイでは途絶えたのか?
問題は「教え」ではなく、制度です。
上座部仏教では、
比丘尼になるには
すでに存在する比丘尼僧団から
正式な授戒を受ける必要があります。
しかし、
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戦争
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疫病
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王朝交代
などを経て、
東南アジアでは比丘尼の系譜が断絶しました。
一度途絶えると、
制度上、復活が非常に難しくなります。
■ 戒律が厳しすぎた現実
女性僧の戒律は、
男性僧よりも多く、厳格でした。
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常に男性僧に従う規定
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行動制限の多さ
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社会的支援の少なさ
結果として、
女性僧団は維持できなくなっていきます。
これは思想というより、
当時の社会構造の反映でした。
■ では、白い服の女性たちは?
タイの寺で見かける、
白い服の女性――メーチー。
彼女たちは、
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出家に近い生活
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戒律を守る修行者
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僧侶ではないが在家でもない存在
です。
正式な僧ではないため、
社会的地位や支援は限定的ですが、
多くの女性が真剣に修行しています。
■ 現代では変化が起きている
近年、
タイ国内外で動きがあります。
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スリランカ系の比丘尼戒を受ける女性
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海外で正式な女性僧になるタイ人
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学術・仏教界での再評価
ただしタイでは、
国家仏教制度としてはまだ認められていません。
変化は、
とてもゆっくり進んでいます。
■ タイ社会の本音
多くのタイ人は、
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女性が悟りに近づけない
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女性は劣っている
とは考えていません。
むしろ、
「制度が追いついていない」
という感覚が近いのです。
■ お寺が“読める”ポイント(Day 15)
女性僧がいない理由を見たとき、
こう考えてみてください。
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教えの問題ではない
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歴史と制度の問題
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変化の途中にある
白い服の修行者も、
同じ道を歩いています。
次回予告(Day 16)

「なぜタイのお寺には学校や病院があるのか?」
寺が“信仰施設”を超えた理由を解説します。
――
見えないものほど、
長い時間をかけて形作られます。
タイ仏教も、今なお進化の途中にあります。



















