【タイの田舎の小さな家から】タイの有名なお寺を30日で学ぶ Day 14 「なぜタイのお寺には鬼や怪物の像がいるのか?」

Day 14
「なぜタイのお寺には鬼や怪物の像がいるのか?」
守護神・夜叉・ナークに込められた、
“恐れ”と“守り”の思想を解説します。
タイのお寺を歩いていると、
ふと立ち止まってしまう像があります。
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牙をむいた鬼
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目を見開いた巨人
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うねる巨大な蛇
「ここは怖がらせる場所?」
いいえ、正反対です。
それらはすべて、
寺を守るために立っている存在です。
■ なぜ“怖い姿”なのか?
仏教では、
悪を完全に消し去るよりも、
制御し、守りに変える
という考え方を取ります。
優しい顔だけでは、
人の心の闇や恐れは止められない。
だからこそ、
恐れを知る存在が、
入口に立つのです。
■ 守護神(เทพผู้พิทักษ์)の役割
守護神は、
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境界を守る
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聖域と俗世を分ける
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悪意を中に入れない
という役割を担います。
寺の門は、
ただの出入口ではなく、
世界の切り替え点。
守護神は、
「ここから先は心を整えよ」
と無言で告げています。
■ 夜叉(ヤック)とは何者か
バンコクのワット・プラケオで有名な
巨大な鬼像――夜叉(ヤック)。
もともとは、
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暴力的
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欲深い
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恐れられる存在
でした。
しかし仏教では、
彼らは仏に帰依し、
寺を守る側へと変わります。
これは、
人の煩悩も、正しく導けば力になる
という教えの象徴です。
■ ナーク(蛇神)が多い理由
階段の手すりや入口で見かける、
蛇の姿――ナーク。
ナークは、
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水の守護者
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地と天をつなぐ存在
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仏教を守った精霊
とされています。
仏陀が瞑想中、
雨から守ったのもナークだと伝えられています。
そのため、
寺へ登る階段=ナークの背中
と考えられます。
■ 「怖い」は悪ではない
タイ仏教では、
恐れは否定すべき感情ではありません。
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恐れを知る
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だからこそ慎む
-
だからこそ守られる
鬼や怪物の像は、
恐れを外に追い出すのではなく、
秩序の中に置く存在です。
■ なぜ入口に集中しているのか?
鬼や怪物は、
本堂の中にはほとんどいません。
なぜなら――
中はすでに守られている空間だから。
彼らは境界に立ち、
俗世のざわめきを止める役割を担います。
■ お寺が“読める”ポイント(Day 14)
怖い像を見たら、
こう読んでみてください。
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脅しているのではない
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守っている
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心の門番をしている
鬼は敵ではありません。
次回予告(Day 15)

「なぜタイのお寺には女性僧がいないのか?」
歴史・戒律・現代の変化を、
やさしく解説します。
――
鬼の前で立ち止まったとき、
それは恐怖ではなく、
聖域に入る準備が始まった合図です。



















