タイで人材、雇用

タイ人留学生獲得を目ざし、日本の大学もタイに窓口設置

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日本を訪れるタイ人観光客の数はうなぎ登りで、日本旅行への関心は大きな高まりを見せているが、日本留学に対する関心はどうだろうか。

先月クイーン・シリキット・センターで催された日本留学フェアJeducation Fair 2014を訪れてみたが、日本の大学や日本語学校がブースを並べ、多くのタイ人が熱心に説明に耳を傾けていた。タイが経済力を付けるに従い、海外留学が一握りの特別な学生のものであった時代は終わり、留学はより身近なものになった事を感じさせる。

「この学部で学んだら何になれますか」といった卒業後の進路まで視野に入れた質問が、最近留学希望者から増えてきたという東海大学アセアン・オフィスの富田紘央さん。

大阪大学、明治大学、東京工業大学など最近バンコクに拠点を開設する日本の大学が増えているが、東海大学は2003年という10年以上前の早い時期からオフィスを開いており、昨年8月に2つ目のオフィスをアソークにオープンしている。東海大学には54名のタイ人留学生(2013年度)がおり、留学生獲得はアセアン・センターの大きな役割となっている。タイ人留学生は震災直後は減ったものの、徐々に増えてきているそうで、富田さんは入口だけでなく出口までしっかりサポートすることが大切と話す。

留学フェアでブースを出していた日本語学校エール学園の小林義史さんによると、日本企業のアセアン進出と合わせて、アセアン諸国からの学生を増やしたいというというのが、ここ数年の日本語学校の傾向という。多くの日本語学校では、中国・韓国・台湾の学生が圧倒的多数であった状況は変わり、最近はベトナムからの学生が急増している。また意外なところでは、ネパールからの学生も倍増している。

留学生獲得は、地方活性化にも期待が寄せられる。北海道の日本語学校では、ここ数年でタイ人の留学生が増えたというが、明らかにタイでの北海道人気の影響で、北海道を留学先に選ぶタイ人が増えたと考えられる。
タイ人留学生増への追い風となるかもしれないのは、昨年からのタイ人への短期滞在ビザ免除だ。留学生は学生ビザを取得しなければならないので一見無関係そうだが、子供の留学中に親が気軽に日本へ会いに行けることは、心理的に日本とタイをぐっと近づけている。留学フェアには、親子での来場者も多く見られたが、何かあった際にもすぐ駆けつけられるという安心感は、送り出す側の心理に影響を及ぼすだろう。

留学生の獲得は、少子化という日本が直面する現実的な問題への対策という部分も大きいが、それだけでなく学校、企業、地域社会など多くのものを巻き込んだビジネスとしての側面もあり、国益に繋がる政策として、多くの国が留学生獲得に力を入れている。タイの学生が 留学する国は、やはり英語圏が多く、タイの本屋の語学コーナーも英語が格段に広いスペースを占めている。日本語は中国語に次いで3番目くらいだ。

英語が出来れば、進路の選択の幅が広がるのは当然で、日本の大学でも英語で学位がとれる様にして、留学生を獲得しようという動きもみられる。英語で学ぶ留学生が増えて日本に何のメリットがあるのかと思うが、世界の大学と競って優秀な学生を獲得することは、日本の国益に繋がる人脈を世界に作っていくために必要だ。

日本政府は留学生数30万人計画を発表しているが、日本の留学生獲得への取り組みは、他国に比べまだまだ遅れていると言われる。日本へ留学してもその後の進路に魅力が無ければ、留学生を集めるのは難しいだろう。卒業後は、日系企業に就職する学生が多いが、日本語ができる便利なスタッフで終わってしまうのか、責任のある職務を得られる道が開けているのか、学校だけでなく、日本留学経験者に対する日系企業の受け入れ態勢も注目される。

タイ人にも身近になった留学。昔に比べ気軽に行きやすくなったが、それでも人生の一大事である。数ある留学先の中から、日本を選んで良かったと感じてくれる留学生が少しでも増えることは、日本にとって大きな財産だ。(編集部H)

 

2014年4月5日 タイ自由ランド掲載

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