西野順治郎列伝 144 第13章-18 「タイの法律入門」に寄せて



著者は、タイに来てから四年後の1988年、自費で『タイの法律入門』を出版しました。その際、西野順治郎さんに序文をお願いしました。
厚かましいお願いとは思いつつも、ダメ元でお願いしたところ、快く引き受けてくれました。
『タイの法律入門』の内容について
ここでは、序文の内容を紹介します。
あわせて、西野さんが所属していたテレキー・アンド・ギビンズ法律事務所についても紹介します。
この事務所は、知る人ぞ知るタイの大手法律事務所の一つで、弁護士だけで400名を超え、タイ最大の規模を誇ります。世界的な法律事務所とのネットワークや提携は行わず、タイ国内で独立して運営されています。(※現在は、ある日本の法律事務所と提携しています)
名称は、創設者であるテレキー氏とギビン氏の二人の名前に由来します。
西野さんは、タイトーメン社長時代から、この法律事務所の非常勤のシニア・カウンセルとして所属していました。
そして、72歳で全ての公職を退任した後は、同法律事務所に毎日出勤し、日本人の法律相談に応じていました。
当時、事務所はプロンチットにあり、著者のオフィスからも近かったため、よく訪問しては世間話に花を咲かせたものでした。
西野さんが亡くなられた後は、日本人の後任として、大橋寅治郎・元日本人会会長が同事務所に就任しています。
シニア・カウンセル 西野順治郎
このたび、私の同窓の後輩である小林 豊君が、チュラロンコーン大学のサクダー・タニットクン助教授と協力し、新刊『タイの法律入門』のを発刊することになり、その序文を求められた。
サクダー助教授は、チュラロンコーン大学卒業後、京都大学、ワシントン大学に留学された新進の学者であり、また小林君はタイで会社を経営する傍ら学心きわめて旺盛で、すでに有益な書を5冊以上も世に出している。
かってタイの法律を学び、法律を持って業としている私にとっても興味深いものとして一読した。
タイの法律組織からその運用に至るまで要領よくまとめてあり、タイで仕事をする人にとっては有益な資料として推薦したい。
東洋人は古来より法律に馴染まず、事件処理にあたっては、長老を交えて話し合いで済ます習慣があった。
しかし、現在のように複雑多様化した社会では、単なる話し合いでは済まされないことが多すぎるのである。
私のところに毎日のように持ち込まれる事件のほとんどは法律に無関心か、あるいは無知であることから生じたものである。
このような意味から、現代を生きるためには、本書は最適な入門書であるとして推薦したい。
1988年3月
(次回号に続く)
2026年8月5日 タイ自由ランド掲載






