【サムライ女子はつらいよバンコク】年始SP3 2025年、バンコク。瑠奈の頭の中も外も、不憫かわいい嵐が吹き荒れる!
新しい一年が始まり、みなさんはどんな決意をされていますか?
私の小説『瑠奈の不憫かわいい物語』の最新話を更新しました🌸 年の初めから、瑠奈は大きな決断に向き合っています。恋愛、結婚、家族…簡単な答えはないかもしれません。でも、瑠奈は自分の気持ちに正直に向き合い、一歩を踏み出す勇気を見つけました。
私たちの人生も、瑠奈のように悩みや不安でいっぱいかもしれません。でも、きっと誰かが支えてくれる。その想いを込めて、これからも瑠奈の物語を紡いでいきたいと思います。
ぜひ読んでいただけたら嬉しいです✨ #小説 #恋愛小説
「はぁ…どうしよう…」
正月休みも終わり、瑠奈はバンコクのアパートのソファに深く沈座していた。年末年始に実家に帰省した際に、両親にソムとの結婚について相談するつもりだった。しかし、結局言い出せぬまま、日本から戻ってきてしまったのだ。
瑠奈の頭の中は、ソムのプロポーズのことでいっぱいだった。
「まさか、ソムがあんな冗談を言うなんて…」
年末、ソムと二人でカウントダウンイベントに行った帰り道。ソムは、酔った勢いで瑠奈にプロポーズしたのだ。
「瑠奈、結婚しよう!二人で幸せな家庭を築こう!」
しかし、翌日、ソムはそれを「ただの冗談だよ」と笑い飛ばした。
「え…でも、私、真剣に考えてるんだけど…」
瑠奈の言葉に、ソムは驚きを隠せない様子だった。
「瑠奈、ごめん。まさか、お前があんな冗談を真に受けるとは思わなかったんだ」
「でも、ソムはレディーボーイだし…子供は養子になるだろうし…両親にどう説明すればいいのか…」
瑠奈の悩みは尽きなかった。
「瑠奈よ、悩むでない。真の愛があれば、どんな困難も乗り越えられる」
頭の中の山田長政が、いつものように武士道精神を説いてきた。
「長政さん、今は令和時代よ!戦国時代みたいに単純じゃないの!」
瑠奈はため息をついた。
「しかし、瑠奈。あのレディーボーイの男、本当に信頼できるのか?わしの時代なら…」
今度は、別の声が聞こえてきた。それは…
「おい、長政!人の恋路に口出しするんじゃねえよ!瑠奈ちゃんは、俺が守る!」
なんと、亀次郎の声だった! 瑠奈は驚愕した。
「亀、亀次郎!?なんで私の頭の中にいるのよ!?」
「それは後で説明するとして、瑠奈ちゃん。ソムさんの気持ちは本物だって!俺の勘は間違いないね!」
亀次郎は、なぜか自信満々に断言した。
「でも、亀次郎。あんたは正月からバスタブで溺れて、意識不明になってたじゃない…」
「ああ、あの時は危なかったなぁ…もうちょっとで、あの世行きだったぜ」
亀次郎は、あっけらかんと言った。
「危ない?何が危なかったんだ?」
長政が鋭く問い詰めた。
「あの時さ、意識が朦朧としてきた時に、長政の声が聞こえたんだよ。「危ない、こっちに帰れ!」って。それで、ハッと目が覚めたんだ」
亀次郎は説明した。
「な、なんじゃと!?わしがお前を呼んだだと?…しかし、あのままあの世に行かせていれば、昭和に帰れたかもしれぬのに…」
長政は悔しそうに呟いた。
「そうだよ!長政のせいで、俺は昭和に帰れなくなっちまったんだ!」
亀次郎は、長政を責めるように言った。
「もう、二人とも、うるさい!」
瑠奈は、頭を抱えた。新年早々、頭の中も外も、不憫かわいい嵐が吹き荒れている。
「はぁ…一体、これからどうなるのやら…」
瑠奈は、深くため息をついた。彼女は、タイの頭痛薬サラーを飲み、おしるこを一口飲んだ。お餅の優しい甘さに、少し心が安らいだ。
「そうだ、ソムに電話してみよう」
瑠奈は、スマホを手に取った。
「もしもし、ソム?あの…プロポーズのことだけど…」
瑠奈は、緊張しながら言葉を続けた。
「…うん、やっぱり、結婚したい!ソムと一緒なら、きっと幸せになれる!」
電話の向こうで、ソムが歓喜の声を上げた。
「瑠奈、本当か!?俺も、お前と結婚したい!ずっと、そう思ってたんだ!」
二人は、電話越しに愛を誓い合った。結婚式のこと、両親への挨拶のこと、未来のこと…
「ああ…ソムとハネムーンに行くなら、やっぱりプーケットかな…それとも、モルディブ??」
瑠奈は、妄想を膨らませ、思わず頬を赤らめた。
「瑠奈よ、結婚はゴールではない。新たな戦の始まりなのだぞ!」
長政の声が、瑠奈の妄想を打ち破った。
「もう!本当に、長政さんは…」
瑠奈は、ため息をつきながらも、心は希望に満ちていた。2025年、波乱万丈な年になりそうだが、きっと、笑いに満ちた、素晴らしい一年になるだろう。
「よし、まずはウエディングドレスを探しに行こうっと!」
瑠奈は、決意に満ちた表情で立ち上がった。ソムとの未来、両親へのカミングアウト、そして、頭の中の住人たちとのドタバタ劇… 瑠奈の不憫かわいい物語は、まだまだ続く…