【サムライ女子はつらいよバンコク】年末SP5 年越しは大惨事!?
令和と戦国時代が交差する不思議な物語を書かせていただきました! 頭の中に戦国武将がいる女子大生と、タイムスリップしてきた昭和の江戸っ子という異色の組み合わせを通じて、年末年始の忙しさや人とのつながりを描いてみました。
恥ずかしい思い出も、振り返ってみれば人生の素敵な1ページ。新しい年も、みなさんにとって笑顔あふれる素敵な物語になりますように✨
#小説 #年末年始 #タイムスリップ #日常の魔法 #新年
ストーリーを楽しんでいただけたら嬉しいです。続きも書いていきたいと思っています!
年末年始、それは誰もが浮き沈みを経験する、特別な時間。特に、忘年会シーズンともなれば、昼夜を問わず飲み会が続くことも珍しくない。令和の世を生きるZ世代女子、本能寺瑠奈も、そんな年末の狂騒に巻き込まれていた一人だった。
しかし、瑠奈には他の女子大生にはない、ある秘密があった。彼女の頭の中には、なんと400年以上も前に生きていた戦国時代の武将、山田長政の魂が宿っているのだ!
「瑠奈よ、酒は飲んでも飲まれるな!武士たるもの、常に冷静さを保つべし!」
毎晩のように続く飲み会で、瑠奈の意識が朦朧としてくると、決まって頭の中の長政が説教を始める。しかし、令和の東京で、しかも可愛い女子大生の姿で生きる瑠奈にとって、戦国時代の武士道精神は、正直言ってちょっとウザかった。
「もー、長政さん、うるさい!令和は飲みニケーションが大事なの!それに、私、お酒弱いんだから仕方ないじゃん!」
瑠奈は心の中で反論しつつも、連日の飲み会に疲弊していった。体は重いし、頭はぼーっとするし、化粧ノリも最悪だ。それでも、会社の忘年会、大学のサークルの忘年会、高校の同窓会…と、断りきれない飲み会は容赦なく押し寄せる。
そして、運命の大晦日がやってきた。
亀次郎との奇妙な同居生活
瑠奈は、ひょんなことから知り合った、自称「昭和生まれの江戸っ子」亀次郎と、奇妙な共同生活を送っていた。亀次郎は、なぜかタイムスリップで現代にやってきたらしいのだが、瑠奈の頭の中の山田長政は、亀次郎のことを「不器用でうすのろ、まるで子犬のよう」と評していた。
確かに、亀次郎は、歩くたびに家具にぶつかったり、物を落としたり、何かとトラブルを起こす。しかし、なぜか憎めない、人情味あふれる男だった。
大晦日の夜、瑠奈は、友人たちとの忘年会に参加した後、フラフラになりながらアパートに帰ってきた。リビングでは、亀次郎が一人でテレビを見ながら、年越しそばを食べていた。
「ただいまー…」
瑠奈は、力なく呟きながら、ソファに倒れ込んだ。
「おう、瑠奈ちゃん、おかえり。飲み過ぎたか?」
亀次郎は、心配そうに瑠奈に声をかけてきた。
「うん…もうダメ…頭がガンガンする…」
瑠奈は、目を閉じながら答えた。
「そうか…水、持ってこようか?」
「うん…お願い…」
亀次郎は、キッチンに行って、水をコップに注いだ。そして、ソファに座っている瑠奈に近づき、優しく声をかけた。
「瑠奈ちゃん、水だよ」
しかし、瑠奈は、すでに深い眠りに落ちていた。
「あらら…疲れてるんだねぇ…」
亀次郎は、瑠奈の寝顔を見ながら、微笑んだ。そして、水をテーブルに置き、毛布をかけてあげた。
長政、大慌て!
瑠奈の頭の中では、山田長政が大慌てでいた。
「瑠奈!しっかりするのだ!その男は、信用できぬぞ!」
長政は、亀次郎のことを警戒していた。しかし、瑠奈の意識は、すでに深い眠りの底に沈んでおり、長政の声は届かなかった。
「やばい…このままでは、瑠奈が…!」
長政は、焦りで胸が張り裂けそうだった。
亀次郎、まさかの行動に…!?
亀次郎は、瑠奈の寝顔を見つめながら、しばらく考え込んでいた。そして、決意したように、瑠奈を抱きかかえて、寝室へと運んでいった。
「おやすみ、瑠奈ちゃん」
亀次郎は、瑠奈をベッドに寝かせ、毛布をかけてあげた。そして、そっと部屋を出ていこうとした。
その瞬間、瑠奈の頭の中の山田長政が、怒りの咆哮をあげた。
「こ、この男!何をしようとしているのだ!?」
瑠奈のおならが大爆発!
しかし、亀次郎は、瑠奈の部屋から出ようとした時、自分の部屋のドアノブに手をかけた。そして、そのまま自分の部屋に入って、ベッドに倒れ込んだ。彼もまた、相当酔っていたのだ。
その様子を、瑠奈の頭の中の山田長政は、固唾を飲んで見守っていた。
「ふぅ…危ないところだった…」
長政は、安堵の息を吐いた。
しかし、次の瞬間、事件は起こった。
瑠奈が、寝言を言いながら、大きなおならをしたのだ!
「ぶぉおおおおおおおおおお!!」
その音は、まるで怪獣の咆哮のようだった。部屋中に、強烈な悪臭が充満する。
「うっ…くっさ…」
亀次郎は、その臭いに耐えきれず、飛び起きた。
「な、なんだ!?この臭いは!?」
亀次郎は、鼻をつまみながら、部屋中を見回した。
「る、瑠奈ちゃん…?まさか…」
亀次郎は、瑠奈の寝顔を見て、全てを理解した。そして、慌てて部屋を飛び出した。
「うっぷ…くっさ…」
亀次郎は、トイレに駆け込み、嘔吐した。
新年、そして…
一方、瑠奈は、悪臭にも気づかず、ぐっすりと眠り続けていた。
そして、夜が明け、新年がやってきた。
瑠奈は、目を覚ますと、自分の部屋のベッドに寝ていた。
「あれ…?私、なんでここに…??」
瑠奈は、昨夜の記憶が曖昧で、状況を理解できなかった。
その時、ドアが開き、亀次郎が入ってきた。
「あけおめ、瑠奈ちゃん」
亀次郎は、少し気まずそうに挨拶した。
「あけおめ…亀次郎…?」
瑠奈は、まだ状況を把握できていない。
「あの…瑠奈ちゃん…昨夜は、いろいろと…ごめんね…」
亀次郎は、頭を掻きながら謝った。
「え…?何が…??」
瑠奈は、ますます混乱する。
「その…瑠奈ちゃんが…おなら…して…」
亀次郎は、恥ずかしそうに言った。
「えーーーーーっ!!??」
瑠奈は、叫び声をあげた。
「も、もう!なんで言っちゃうのよ!?」
瑠奈は、顔を真っ赤にして、布団に潜り込んだ。
長政、新年早々ため息…
瑠奈の頭の中の山田長政は、新年早々、ため息をついていた。
「まったく…今年も、波乱万丈な一年になりそうじゃな…」
しかし、長政の声は、瑠奈には届かなかった。
瑠奈は、布団の中で、昨夜の出来事を思い出しながら、赤面していた。
「もう!恥ずかしすぎる…」
しかし、どこか、心が温かい気持ちもしていた。