【タイの田舎の小さな家から】タイの仏教を30日で学ぶ –Day 17 「定(サマーディ)」とは何か

Day 17
「定(サマーディ)」とは何か
— 心を静め、揺れない土台を育てる —
仏教の修行は、
戒(シーラ)・定(サマーディ)・慧(パンニャー)
という三つの柱で成り立っています。
その真ん中に位置するのが、
「定(サマーディ)」――
心を一点に落ち着かせる力です。
■ 定とは「集中」だけではない
定というと、
「強い集中力」や「雑念を消すこと」を
イメージしがちですが、
本質はもっとやさしいものです。
定とは、
心が今ここに安定して留まっている状態。
無理に何かを排除するのではなく、
自然と静まっていく心の状態を指します。
■ なぜ心は散らかるのか
私たちの心は、
過去の後悔や未来の不安へと
絶えず動き回っています。
定が育っていないと、
小さな刺激にも振り回され、
疲れやすくなります。
定は、
心を休ませる場所をつくる実践でもあります。
■ タイ仏教における定の育て方
タイの寺院では、
呼吸に意識を向ける**安般念(アーナーパーナサティ)**が
広く行われています。
-
息を吸っていることを知る
-
息を吐いていることを知る
それだけで十分です。
集中しようと頑張るより、
戻り続けることが大切だと説かれます。
■ 定がもたらす変化
定が育つと、
感情の波が起きても、
すぐに飲み込まれなくなります。
怒りや不安を
「自分そのもの」と思わず、
眺められる距離が生まれるのです。
■ 定は慧への架け橋
定はゴールではありません。
静まった心は、
物事をありのままに見る準備が整った状態。
そこから生まれるのが、
**慧(パンニャー)**です。
■ 今日の小さな実践
今日、1分でいいので
呼吸に意識を向けてみましょう。
乱れても構いません。
気づいて戻る――
それが定を育てる一歩です。
🔔 次回予告 – Day 18

明日は、
**「慧(パンニャー)」**について学びます。
知識ではなく、
体験から生まれる智慧とは何か。
悟りへの扉を、静かに開いていきましょう。


















