📘30日で学べる:タイの同性婚 完全ガイド Day4|同性婚・事実婚・パートナーシップ制度

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Day4|同性婚・事実婚・パートナーシップ制度

― 何がどう違うのか?制度面から整理する ―

「一緒に住んでいれば、もう夫婦みたいなもの」
「パートナーとして認められていれば十分では?」

実はここに、
大きな落とし穴があります。

Day4では、

  • 同性婚

  • 事実婚

  • パートナーシップ制度

この3つの違いを、
“いざという時”の視点で整理します。


■ ① 事実婚とは何か?

事実婚とは、

  • 婚姻届を出していない

  • 一緒に生活している

  • 周囲から夫婦のように見られている

という状態です。

ただし法律上は、

「赤の他人」

とほぼ同じ扱いになります。

事実婚の限界

  • 相続権なし

  • 医療同意ができない場合が多い

  • 財産は個人名義

  • 別れた時の法的保護が弱い

「問題が起きなければ困らない」
でも、
問題が起きた瞬間に何も守られない
それが事実婚です。


■ ② パートナーシップ制度とは?

パートナーシップ制度は、

  • 自治体や限定的な法律で

  • 「パートナー関係」を証明する仕組み

日本や一部の国・地域で導入されています。

できること

  • 病院の面会

  • 公営住宅の申請

  • 一部の行政サービス

できないこと

  • 国としての結婚認定

  • 相続・税制の完全な保障

  • 国際結婚・ビザ問題の解決

つまり、

「配慮」はあるが「結婚」ではない

という位置づけです。


■ ③ 同性婚とは何が違うのか?

同性婚は、

法律上の「結婚」

です。

異性婚と原則同じ扱いになり、

  • 婚姻届が出せる

  • 相続権がある

  • 医療・緊急時に家族扱い

  • 税・保険・社会保障

  • 国際結婚やビザへの影響

が発生します。

これは、

  • 気持ちの問題

  • 社会的配慮

ではなく、
国家が責任を持って保障する関係です。


■ 何が一番大きな違いなのか?

最大の違いは、

「何かあった時に、誰として扱われるか」

です。

  • 事実婚 → 他人

  • パートナー → 特別扱いの知人

  • 同性婚 → 配偶者

この差は、
日常では見えにくいですが、

  • 入院

  • 事故

  • 死亡

  • 相続

といった局面で、
はっきりと表に出ます。


■ タイが同性婚を選んだ意味

タイは長い間、

  • 社会的には容認

  • 法的には未整備

という状態でした。

今回同性婚を制度化したのは、

「配慮」ではなく
「平等な法的地位」を与える

という選択をした、ということです。


■ Day4のまとめ

  • Tensui
    Tensui

    • 事実婚は法的に非常に弱い

    • パートナー制度は限定的な保護

    • 同性婚は正式な結婚

    • 違いは「いざという時」に出る

    次回 Day5 では、
    「これまでのタイの同性婚運動の歴史」
    を、できるだけ分かりやすく振り返ります。