📘30日で学べる:タイの同性婚 完全ガイド Day2|タイは本当にLGBTQに寛容な国なのか?

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Day2|タイは本当にLGBTQに寛容な国なのか?

「タイはLGBTQに優しい国」
これは世界的にも、在タイ日本人の間でも、よく聞くイメージです。

街を歩けば、

  • トランスジェンダーの店員さん

  • LGBTQ向けのイベントやパレード

  • テレビやSNSで活躍する有名人

たしかに日本より「見える」場面は多いかもしれません。

でも、ここで一度立ち止まって考えてみましょう。
“見える”ことと、“守られている”ことは同じでしょうか?


■ なぜタイは「寛容」に見えるのか

タイでLGBTQが身近に感じられる理由はいくつかあります。

① 仏教文化の影響

タイの多数派である上座部仏教では、

  • 個人の生き方に強く介入しない

  • 「前世の縁」「今世の役割」として受け止める

という考え方があり、
「排除する」という空気が比較的弱いと言われます。

② メディアとエンタメの存在感

ドラマ、バラエティ、SNSでは、

  • カトゥーイ(トランス女性)

  • ゲイ・レズビアンのキャラクター

が昔から登場してきました。

これが
「特別ではない存在」として認識される土壌を作っています。

③ 観光立国としての側面

外国人観光客が多いタイでは、

  • 多様性を受け入れること=経済的メリット

という現実的な理由も無視できません。


■ それでも残る「現実の壁」

では、タイは本当に生きやすい国なのでしょうか。
答えは 「場面による」 です。

・家族の中では?

  • 親には言えない

  • 結婚のプレッシャーは強い

  • 跡継ぎ・世間体の問題

特に地方では、
**異性婚が「当たり前」**という空気は今も根強く残っています。

・職場では?

  • 表向きは問題なし

  • でも昇進や管理職では不利

  • 「イメージ」を理由に制限されることも

黙認と平等は別物、という声も少なくありません。

・法律はどうだった?

これまでのタイでは、

  • 結婚は異性のみ

  • パートナーとしての法的保護は弱い

  • 緊急時や相続で「他人」扱い

つまり社会的には見えていても、
法的にはほぼ守られていなかったのが実情です。


■ 「寛容」と「権利」は別の話

タイ社会は確かに、

  • 露骨な差別が少ない

  • 表現の自由度が高い

一方で、

  • 法律

  • 制度

  • 国家としての保証

は、長い間置き去りにされてきました。

だからこそ今回の同性婚法制化は、
「イメージ」を「権利」に変える大きな一歩なのです。


■ Day2のまとめ

  • Tensui
    Tensui

    • タイはLGBTQが「見えやすい」社会

    • しかし家庭・職場・法律では課題も多かった

    • 寛容=平等ではない

    • 同性婚はそのギャップを埋める制度

    次回 Day3 では、
    「タイにおける『家族』と『結婚』の考え方」
    をテーマに、文化的な背景を見ていきます。