あぱまん情報2023年4月5日掲載 T.W.Yバンコク都市開発研究所 航空券価格
どうする航空券‼世界の航空運賃が軒並み上昇
㈱旅工房の「2022年海外旅行に関するアンケート」(2022/5/10)によると、渡航解禁後に行きたい国・地域として、ベスト3がハワイ(44.9%)、台湾(38.8%)、タイ(28.4%)という結果がでた。また、年内にも海外に行きたい人が6割いるなど、コロナ終焉にともない、いよいよ海外旅行が注目を浴び始めた。
しかし、このような中、世界の航空券価格が軒並み高騰している。2023年7月のJAL往復航空券は、最も安いものでも、ハワイ10.7万円、台湾8.2万円、タイは何と12.6万円と驚きの価格となっている。以前は、東京・バンコク間は5万円台であった。
東京・バンコク航空券が2倍以上に上昇?
世界的航空券価格の高騰は、2022年2月のロシアのウクライナ侵攻による原油価格高騰が原因といえる。2016年10月の東京・バンコク間のJAL往復航空券価格は53,450円と6万円を切っていた。それが、2023年7月の航空券は126,294円と当時の2.36倍となっている(図表2)。2016年は運賃と空港税のみであったが、2023年は燃油サーチャージが加わり、サーチャージが航空券の40%も占めている。
航空券は、運賃+空港税等の諸税+燃油サーチャージから成り立つ。サーチャージは、航空燃料高騰による費用の一部を旅客に負担してもらう為に設定された付加運賃、貨物では2001年、旅客では2005年から導入されている。
燃料高騰と円安によりサーチャージ大幅上昇
2020年6月からサーチャージ無しとなったが、1年後の2021年6月からサーチャージが復活。そして、その後航空燃料上昇により燃料サーチャージは大幅に上昇した。2022年12月からは1年振りに下がることとなったが、まだまだ高い。そして2023年4月発券分より3段階引き下げとなる(図表3)。
2021年1月為替相場が1ドル103円前後であったのが直近では132円。サーチャージ高騰は航空燃料が高くなっただけでなく円安の影響も大きい。なお、ANAの燃油サーチャージもJALと同じような動きとなっている。
燃油サーチャージ低い時期に発券がベスト
燃油サーチャージは、航空燃料価格に基づき算出される。具体的には、直前2か月間のシンガポールケロシン市場価格の平均に為替を考慮し決定している(図表4)。2023年4~5月発券分の燃油サーチャージ決定方法は、2022年12月から1月のケロシン価格平均112.95ドルと為替平均1ドル132.74円をかけて、14,992円。2023年4~5月分については14,992円を基準に、片道燃油サーチャージ19,600円が決定した(図表5)。
航空券の発券は、燃油サーチャージが低い時期に購入するのがベストとなる。例えば、燃油サーチャージが来月上がる可能性が高いならすぐに購入するのが良い。一方、来月下がる可能性が高いのであれば、来月迄待ってから航空券を購入するのが望ましい。しかし、繁忙期の争奪戦の場合は、待っていたらチケットが売り切れとなることもあるので、この場合は手数料とみて、サーチャージに関係なく取得することを考えた方が良いであろう。
燃油サーチャージは6月以降さらに下がる?
現在、シンガポールケロシンは、2023年3月中旬で100ドル前後となっており、為替は若干円高で132円前後。掛けると13,200円となる。変動が激しいので正確にはわからないが、このままの状態が3月末迄続けば、6月以降の燃油サーチャージは、ゾーンHに一段階引き下がることもあり片道17,900円に下がる可能性もある。
もし、2023年7月にJAL東京・バンコク航空券を購入する場合、チケットに余裕あるならば、3月に発券するより4月になってから発券した方が8%安く購入できることになる。4月に入り燃油サーチャージがさらに下がることが確定したら、発券を6月に行うのが良いであろう。但し、チケットが残っている可能性が高い場合である。
T.W.Y.Co.,Ltd バンコク都市開発研究所 顧問 愛川裕二