タイは「微笑みの国(Land of smiles)」とよく言われる。タイに行くと、男女問わず多くの「微笑み」を見つけることができるが、これには様々な種類の笑顔と意味合いがあるようだ。 実際タイには13の「微笑み」があり、タイ人はこれらを、その場その場で巧妙に使い分けているといわれている(図表1)。ただ、この13種類の「微笑み」をよく見ると、タイ人に限ったことではないという気もする。
学術的に、初めてタイを「微笑みの国」と呼んだのは、William. A. R. Woodというイギリス人であったといわれている (注01)。1935年、彼は「Land of Smiles」という本を出版した。この本の中で、タイ人のトラブル解決法として、ひとつは「お金」、もう一つは「微笑み」を紹介している。なお、女性同士の場合「微笑み」戦略は通用しないとWoodは言ってる。それはともかく、実はWood以前、アジアを「微笑みの国」と呼んだ人はいたが、タイをそう呼んだのはWoodが初めてであったようだ。タイ人にとって笑顔は重要な護身術だったのかもしれない。