日本食の「オレンジハウス」はお弁当のデリバリーで19年
ソンクラーンのこの時期、タイでは大々的な催しは、その多くは中止となり、新型コロナウイルスで人混みの場所に行くのを嫌う人は自宅にいて、食事等ではデリバリーをオーダーする人も多い。
今では、フードパンダからラインマン、グラブ、ゲットなど、デリバリー業者が競い合い、飲食店側がマージンを払わなくても配達してくれる業者もあるので、店側も、オーダーする客もとっても便利になっている。
そんななかで、スクムビット界隈で19年、日本食のデリバリー、宅配のお弁当を続けてきたのが「オレンジハウス」。ソイ39のどまん中に店があり、表向きは漫画喫茶だが、駐車場もあり、食事だけでの来店もOK。そしてメインはデリバリーのお弁当。メニューを見ると、幕の内弁当250バーツ、和風ハンバーグ弁当190バーツ、とり南蛮弁当180バーツ、焼肉弁当180バーツなど、どれもとってもリーズナブルで、日本食の店に行くよりも20%以上は安い。それでいてどれも一つ一つていねいに作られていて、おふくろの味を思い出す。
ただ、値上げをせずに今までやって来たが、この4月末から5月初めには「消費税分は別途にいただくことになります」とは日本人女性オーナー。そうなると15~20バーツの値上げとなる。
以前のオーダーでは、ジャンボハンバーグ弁当やメンチカツ弁当、とり唐揚げ弁当など、ガッツリ系が人気だったが、今では、さっぱりしたメニューを好む人が多く、とり梅みそ焼き弁当やかれい西京焼き弁当、豚しゃぶ弁当など、健康志向が目立つ。値上げと同時に新メニューでお披露目するのが、糖質制限を意識したロカボ弁当200バーツで、例えばある日のメニューでは、バンバンジーと玉子、きくらげ炒めなど、糖質を控えたメニューとなっている。
デリバリーの配達人は6人。昼間、スクムビットのビジネス街や、駐在員の主婦からのオーダーが重なり、しかしそれでも12時前には届ける必要がある。ランチの食事時に滞りなく届けるには2~3人の配達員ではまかなえない。
さらにコック、厨房担当も6人雇っており、本格派の日本料理と同等のクオリティーのお弁当が自慢だ。だから、日本人の幼稚園や小中学の日本人学校などからのオーダーも常時入っている。
さらにアソークのビジネス街の仕出し弁当などもオーダーを受けており、そのクオリティーには自信がある。
今まで19年やって来れたのはタイ人従業員のおかげといい、何とオープン当初から働くタイ人もおり、10年以上働いているタイ人も3人いる。何も言わなくてもすべてこなしてくれるまでになっており、そのあたりも店が長く続いている秘訣だろう。
スクムビット界隈で、日本人向けの日本食のお弁当屋さんといえば、何軒かあるが、なかなかこのように長年続いているところはなく、デリバリーの確保、一定の味を保つクオリティー、リーズナブルな価格。これらを維持するのは難しいと思われる。
デリバリーを自分の店でまかなっているある鉄板焼き屋さんの日本人オーナーによると「こうやって客からのオーダーを取って、デリバリーしているのも、将来的には外部にまかせた方がいいと思っている。こないだも2人分の客をいっしょに配達に行って、お互い間違えて配達してしまったりとかがあり、外部にまかせればそういった気苦労から解放される」と話していて、将来的には大手のデリバリー業者にたのむ意向だ。
そんななかで、オレンジハウスでは独自の日本食のお弁当、という形で、デリバリー要員を抱えて配達している。それは日本語でオーダーできて、苦情などもすぐに言える安心感があり「やっぱりオレンジハウスへ」という人も多く、日本人の多くがこのスクムビットに住む限り、お弁当屋さん「オレンジハウス」はオーダーを受け続けるのだろう。
2020年4月5日改訂版 タイ自由ランド掲載