あぱまん情報11月5日号掲載T.W.Y. バンコク都市開発研究所 マイオカイン

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今注目されているのが「マイオカイン」

運動の老化・疾病予防効果が医学的に解明 これまで、筋トレとか運動はからだに良いということは、医学の世界でも経験的に分かっていた。しかし、筋トレが何故健康に良いかというメカニズムについてはよくわからなかった。 最近の研究で、筋肉が多い人は若いということが（図表1）、医学的に解明された。運動することが老化や疾病予防などの健康効果をもたらすことが複数の疫学研究で明らかになった。そのメカニズムの主要なカギを握る物質として今注目されているのが「マイオカイン」だ。

若返り・病気予防の万能物質（マイオカイン）

若返り・病気予防の万能物質（マイオカイン） マイオカイン研究の進展は、2003年デンマークの運動免疫学者ペダーセン博士らが、骨格筋（筋肉）収縮時に劇的に増える「IL-6（インターロイキン6）」をマイオカインと定義したことに始まる。マイオカインは運動することで骨格筋から分泌される種々の生理活性物質の総称。現在、40種類を超えるマイオカインが発見されており、活性作用のほとんどに老化防止、若返り促進効果がみとめられている（図表２）。これまで、筋肉は単にエネルギーを消費している組織にすぎないと考えられていたため、筋肉から夢の万能物質（マイオカイン）が分泌されていたということに、世界中の研究者が驚いた。

筋肉は蘇生力が高いため、何歳になっても鍛えることができる

何歳からでも鍛えられる 入院生活で寝たきりの状態になると、1日3～5％の驚くスピードで筋肉は衰える。しかも、加齢とともに55歳から筋肉量は急激に減少する（資料3-1）。一方、筋肉は蘇生力が高いため、何歳になっても鍛えることができる（資料3-2）。還暦を過ぎたから、もう70代だから80代だからといってあきらめず、コツコツと筋トレをすれば筋肉は大きくなる。

長生きできるポイントは？ 最近、75～84歳の高齢者の歩く速さと、10年後の生存率を調べた研究で、筋肉量が多いほど長生きできることがわかった。この研究によると、普通以上の速さ（毎秒1.4m以上）で歩けるグループと、歩行速度が遅い（秒速0.4ｍ未満）グループとを比べると、10年生存率に3倍程度の開きがあることがわかった。この結果は、歩くのが速い人、すなわち筋肉量が多い人ほど長生きできることを表している（図表4）。

皆さんも、早速、筋トレを始めてみてはいかがでしょうか

老後の最強の資産とは 老後2千万円問題が話題となっているが、いくらお金があっても、肉体が不健康（寝たきり生活等）であれば、趣味や旅行などで幸せな老後生活を過ごすことはできない。貯金はいくらあっても健康にはなれないが、筋肉はあればあるほど健康になれる。そういう意味では筋肉こそが老後の最強の資産と言えよう。老後に第二の青春を謳歌したければ、筋肉を貯めておくことが極めて重要といえる（図表５）。皆さんも、早速、筋トレを始めてみてはいかがでしょうか。

あなたは「10 秒間の片足立ち」ができますか？

あなたは「10 秒間の片足立ち」ができますか？ 「できない人」は「できる人」より７年後の死亡率が84％も高い 目を開き、両手を下した状態で片足立ちをして10秒間立ち続けてみてください。簡単そうに思うかもしれませんが、これが意外と難しいようです。片足立ちで10秒以内にバランスを崩してしまう人は、10秒間キープできる人に比べて、何らかの原因で7年後の死亡するリスクが84%も高いという研究結果（注01）が報告されています（日経Gooday2022/10/13）。 片足立ちのトレーニングで寿命が伸びる 老化と「開眼片足立ち時間（目を開けたまま片足で立てる時間）」の関係性を、10年以上に渡って研究している愛媛大学の医学部・伊賀瀬道也センター長によると、片足立ちができない人は、筋力と骨量が減少してサルコペニアになっている可能性があるということです（PRESIDENT Online2023/1/3）。 サルコペニアは血管の老化も促進するため、脳梗塞などの様々な生活習慣病や、脳の萎縮を招くようです。 しかし、片足立ちができない人も、伊賀瀬先生によると、心配は不要とのこと。「1日3回、1分間の片足立ちを習慣化するだけで筋力と骨量は増やせる。」 そして、サルコペニアの予防改善にもつながるとのことです。 (注01) Araujo CG,et al,Br J Sports Med,2022 Sep;56(17):975-980.

T.W.Y.Co.,Ltd 　バンコク都市開発研究所 顧問　愛川裕二

2023年11月5日 タイ自由ランド掲載