このような習慣は民間のみならず役所でも行われており、事実上、合法的に認められています。
これらの行為は、古くから習慣として定着しており、現在でも根強く残っています。
著者の経験でも、アパートの家主が客を連れてきてくれた人に対し、成約した場合、正式な支払いとは別に、その担当者にお礼をすることがありました。
もし家主がお礼をしなければ、タイの商習慣では「風上に置けない」と非難されることにもなります。
以上、長々とタイの商習慣を述べてきましたが、これを西野さんの事例に当てはめてみましょう。
問題の土地は、タヌース医師を通じて地主と接触を開始されています。
したがって、地主はタヌース医師にコミッション(お礼金)を支払った、と考えるのが自然でしょう。
また、仲介者であるタヌース医師が、買主側である日本人学校関係者に謝礼を渡すことも、ごく一般的なこととされます。
したがって、そのコミッション(謝礼)の一部を西野さんのみならず、関係者が受け取った可能性も、想像に難くありません。関係者それぞれが、自分の立場に応じた謝礼を受け取るーーそれがタイの慣例なのです。
このようなケースでは、日本語では「役得」と表現されることが多いでしょう。
つまり、西野さんもタイの商習慣に従い、一部の金品を受け取っていた可能性があります。
ただし、仮に受け取っていたとしても、それは不正なものではなく、タイの商習慣に基づく正当な行為とみなすべきでしょう。
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著者は、この件について西野さんに直接質問したことがあります。
すると、「この件は法的に問題ない」と短く答えてくれましたが、謝礼を受け取ったかどうかについての言明は避けていました。
このような噂が広がった背景には、学校移転に反対する人々や、長期間にわたって日本人会長を務めたことへの反感があったとされています。さらに、ジェラシー(嫉妬)によるものとも考えられます。
長く日本人会長の座にあったことで、その地位を狙う他の人々に機会が回らず、結果として悪評を広められたという見方もできるでしょう。
このように、人の足を引っ張る話は、どこの世界でもあるものです。
根本的には、人間の醜いジェラシーが原因ではないでしょうか。
そして、そのような噂が立つほど、西野さんが歴史に名を残す偉大な人物であった証なのかもしれません。
(次回号に続く
2026年3月20日 タイ自由ランド掲載
