西野順治郎列伝 108　第12章- 1 – 14 小谷亀太郎さんと西野順治郎さん



ラオス調査団での二人の交流

　この出来事については、既に西野順治列伝68回にて紹介済です。

　１９５５年７月、日本政府による官民合同ミッションがラオスを訪問し、その民間メンバーの中に小谷さんと西野さん、２人の大手商社マンが加わっています。

　これらのメンバーは、専門知識や経験が高く評価されたために選ばれたのでしょう。

　１ヵ月にわたる現地調査の中で、小谷さんはラオスに関する深い知識で注目を集めました。

　当時、西野さんは来タイ３年目でしたが、小谷さんは10年以上の経験があり、その差は明白でした。言うまでもなく、小谷さんの方がタイに関する知識、経験が豊富でした。

実際、西野さんは１歳年上の小谷さんを尊敬していました。

　この二人が、ライバル意識を抱いたとしても不思議ではありません。

日本人会活動

　西野さんは１９５２年にタイに赴任しており、それから２年後にバンコク日本人商工会議所が設立されています。

なお、その１年前の１９５３年には日本人会も再建されています。

　商工会議所の設立には、32社がチャーターメンバーとして参加していますが、その中には小谷さんが勤める会社も含まれていました。小谷さんは偶然にも、自分の会社と共に大阪の山本貿易会社の代表を兼ねていたため、その参加資格を得ることができました。

　もし、現地企業の身分ならば、この設立には参加できなかったでしょう。

　小谷さんは、37歳の時から日本人会再建に尽力し、再建した時から理事に就任し、その後17年間日本人会事業部長などのポストを務めました。

　しかし、71年に西野さんが日本人会長に就任した際、小谷さんは親しく交流している日高秋男氏にポストを譲る形で退任しています。

　日本人会の役員を17年も続けてきた実績があるのにもかかわらず、新入りである商社マンの西野さんが理事３年目にして日本人会長に就任したことについて納得いかず、耐えきれなかったようです。

　その後、西野さんが会長就任中の８年間お休みして、その後79年理事に復帰しています。

その後も日本人会活動（主に事業部）に熱心に参加し、

１９８９年に73歳で、後任の小野雅司さんにバトンタッチして退任しています。

　通算約30年間の活動でしたが、一度でも会長職に就任できたならばと悔やまれます。

　このように、長年理事を務めながらも、大企業出身者による持ち回りによる会長交代が慣例となっていたため、いかに実績を上げても会長に推挙されなかったのです。

　なお、両名とも晩年には日本人会名誉会員に選ばれています。

　小野雅司さんの日本人会長としての活躍は「西野順治列伝」第１０１回、１０２回にて紹介済みです。

　　　　　　　（次回号に続く）

 2025年1月20日 タイ自由ランド掲載

[word_balloon id="2″ size="M" position="L" name_position="under_avatar" radius="true" balloon="talk" balloon_shadow="true"]西野順治郎さんは、日本の外交官、実業家、教育者であり、初代在泰日協会学校理事長、元タイ・トーメン社長・会長です¹。西野さんは、1917年8月9日に大阪府岸和田市で生まれ、横浜専門学校（現・神奈川大学）で学び、外務省留学生試験に合格し、タマサート大学法学部に国費で留学しました¹。西野さんは、タイで1969年に発表された小説『Khu Kam（運命の人）』を、『メナムの残照』の題で翻訳しました¹。²¹: [Wikipedia](https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A5%BF%E9%87%8E%E9%A0%86%E6%B2%BB%E9%83%8E)
²: [The New York Times](https://www.nytimes.com/2018/02/03/world/asia/mount-everest-how-tall-nepal.html)

ソース: Bing との会話 2024/1/10
(1) 西野順治郎 – Wikipedia. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A5%BF%E9%87%8E%E9%A0%86%E6%B2%BB%E9%83%8E.
(2) 西野 順治郎 – Webcat Plus. http://webcatplus.nii.ac.jp/webcatplus/details/creator/55292.html.
(3) 西野順治郎とは – わかりやすく解説 Weblio辞書. https://www.weblio.jp/content/%E8%A5%BF%E9%87%8E%E9%A0%86%E6%B2%BB%E9%83%8E.[/word_balloon]