違法に働いていた場合、逮捕、拘留、強制送還あるいは金銭交渉

 

レストランの開業などでは、そこで働く日本人は、まだ労働許可証が取れていない状態でオープンし、のちしばらくして労働許可証を取るというケースが多い。

しかしタイでは、労働許可証を申請している段階で、その人が働いている行為は、違法である。厳密に言えば、逮捕されて拘留され、裁判にかけられ、強制送還だ。

しかし、入国管理局に代わって地元のレストランなどを見回る管轄警察署の私服捜査官は、そこの部分で温情を与え、交渉で解決する。

先日も、ある立ち上げのレストランで、ソフトオープン中、夕方6時の店のオープンと同時に、私服のタイ人2人が店に入り、店内を携帯で撮影、そのあと厨房にいる日本人3人を撮影した。3人は労働許可証をこれから申請する段階だったから、「違法で働いていた」と指摘された。

1人は実際に働いていたが、2人はただ厨房に立っていただけだが、それでも厳密に言えばアウト。厨房にいるだけで働いていると見なされるのだ。

本人たちは「働いていない」と主張したが、この段階でこういう風に言うと、捜査官を怒らせるだけ。素直に認めて、お金で解決すればよかった。しかし、いく分、対決姿勢を見せ怒らせたため、「トンロー署に連行する」ということになり、署の後ろ側にある捜査官の別室で座らされ、「違法で働いていたので、罰金および禁固刑、そのまま裁判にかけられ、釈放と同時に強制送還」などと罪状等を告げられ、かけつけた知人のタイ人は「まあまあまあ、それを執行する前に、話し合いで解決できないか」ということになり、金銭での解決を提案。3人の違法行為ということで5万バーツの支払いでまとまった。

これを払わなければ強制送還で二度とタイには来れない。ワイロうんぬんという問題だけではないのだ。

ではなぜ、労働許可証を取ってから店をオープンできないのか?ということになるが、店のオープンの順序としては、会社設立→VAT登記→店の従業員確保→レストラン許可→労働許可証取得、となっており、従業員を確保して、レストラン許可を取ってからでしか労働許可証が取れない。従業員を遊ばせておくわけにもいかず、その間、ソフトオープンなどとして営業するわけである。

いずれにしても、こういった私服捜査官が入ってきて、「違法に働いている」ということになれば、その場で交渉して解決するのがベスト。費用も安くで済む。怒らせて警察署に移っての交渉になれば、時間も浪費し、割高になるので注意したい。

なお、会社設立、労働許可証、ロングステイビザ、毎月の経理などは、タイ自由ランドの事業部まで。

 

2016年5月5日 タイ自由ランド掲載

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