ここで、『日・タイ四百年史』(新版増補)の「まえがき」を紹介しましょう。
序
西野順治郎氏は、生涯のほとんどをタイ国で過ごされ、タイ国人の心を知るタイ国通の一人として私の尊敬する人である。
昭和48年5月「日・タイ四百年史」を出版、53年に改定、更にこの度、稿を改めて「新版増補 日・タイ四百年史」を刊行されることとなった。
(一部省略)
日本・タイ関係は、ここのところ順調に推移してきたが、昭和58年日本との貿易不均衡が15億ドルを超えたため、日本市場の解放を求める声が高まり、日本商品ボイコットを再発にエスカレートする怖れが出てきた。
(一部省略)
同じ仏教国である日本・タイ関係が一層緊密になり、日本・タイ親善を説く本書が、一人でも多くの人に読まれることを希望してやまない。
昭和59年10月
日・タイ友好協会文化交流委員長 衆議院議員 江崎真澄
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あとがき
―新版増補発行に際して―
私が初めて『日・タイ四百年史』を世に送ったのは1972年1月であった。
(一部省略)
その後、日本政府の経済協力や在留日本人の反省によって排日の嵐が一応静まった頃、1978年1月に『新版日・タイ四百年史』出す事が出来た。
以来既6年余の月日は過ぎた。
この間において幸い両国の交流は深まり、友好関係は維持されている。
私は初版においてタイ人は新日派でも反日派でもない。
全部愛国者であるが、良き友に対しては友好的態度を持って迎えてくれる。
すなわち共存共栄の精神を持って接しなければならないと述べた。
最近日本・タイの両国間には友好関係が続いていると言われるが、今回追記した第10章において述べているように、最近の両国の貿易関係はまさに憂慮される状態にある。
この点に関しては両国民の深い理解と努力によって一日も早く事態が改善されることを祈念してやまない。
初めて読まれる方のために初版の「あとがき」の一部を抜粋して紹介する。
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本書はあくまで事実を忠実に取り上げることにした。
第1章から第3章までは古い記録、特にW・A・R・ウッド(元チェンマイ英国総領事館)著「タイ国史」ワンワイタヤコーン殿下著(タイ外交史)などに寄るところが多い。
第4章以降は著者自身がタイに在留して体験したことを中心にした他、元外務大臣ディレック・チャヤナームの回顧録「第二次世界大戦とタイ国」に負うところも大である。
ことに第5章から7章については著者が二見甚郷公使、坪上貞二及び山本熊一両大使の通訳官として仕えて関係した事実の真相をそのまま伝えることに努力したものである。
(一部省略)
今回の増補版を出すに当たっては、タイに対して特に深いご造詣を示されている自民党国際経済対策特別調査会会長、江崎真澄先生(元通産大臣)を始め覚王山日泰寺、時事通信社小林義一取締役を始め関係各位のご協力をいただいたことに対して深甚の謝意を申し上げる。
1984年8月 著者
(次回号に続く
2026年1月20日 タイ自由ランド掲載
