はじめに
西野さんは、アユタヤ日本人村にどのように関わってきたのでしょうか。
この問いを念頭に置きながら、文章を進めていきます。当時、西野さんはタイ日協会の副会長として、日本人村の整備に強い関心を持ち、積極的に取り組んでいました。
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このテーマを考え始めた際、まず現地調査を行おうと思いつきました。
日本人村は、タイ日協会の所有で、敷地面積は、7・5ライ(約12000平方キロメートル)あります。
入り口を入ると石碑が立ち、敷地の東側はチャオプラヤー川に面しています。
建物は、「山田長政の展示館」と「歴史資料館別館」の二棟に分れています。
入り口左手には受付があり、その隣には日本の浴衣を貸し出す店があります。「日本に行った気分が味わえる」として、タイ人観光客に人気スポットとなっています。
現地のマネージャーからは、次のような説明を受けました。
来客数は月に約5000人で、そのうち75%がタイ人、日本人が約10%、残り15%がその他の国の方々とのことです。(コロナ前は、日本人60%、タイ人40%)
つまり現在、日本人来訪者は1日あたり約20人程度になります。
ここでの見どころのひとつが、「アユタヤ歴史研究センター別館」の建物です。
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アユタヤ歴史研究センターについて
アユタヤ歴史研究センター別館は、入り口を入って左側にあります。この別館は、日タイ修好100周年を記念して建設されました。
本館は、遺跡が多く集まる中心部、ラーチャバット大学の敷地内にあり、アユタヤ市によって運営されています。
西野さんは、100周年記念事業委員会の委員として積極的に関与し、日本村に別館が建設されるよう尽力しました。
この別館に入って左側の壁面には、1980年に徳仁(なるひと)天皇陛下(※当時は皇太子)が訪問された際、西野さんが案内役を務めた時の写真が掲げられています。
また、展示館と別館にはそれぞれに10人程度を収容できる小シアターがあり、タイ語・日本語・英語による説明映像が上映されています。
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西野さんの願い
著者は、西野さんの思いを代弁してみました。
「日本人がアユタヤ観光する際には、ぜひこの地を訪れ、かっての歴史に触れてほしい。それが、日本とタイの架け橋となる事を願っている。
日本の旅行会社がここを「車窓からの見学」で済ましているのは実に残念だ。ぜひ正式なツアーコースとして組み込んでもらいたい。」
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最後に、とても残念な話
入り口を入ってすぐに、「アユタヤ日本人町の跡」の石碑があります。
しかし、その碑文には「アユチア」と誤って記されています。著者は、初めてこの石碑を目にした際の違和感を、今でも鮮明に覚えています。単純な誤記かもしれませんが、果たして真実はどうなのでしょうか。
なお、 西野さんは、アユタヤ日本人村について随筆を残されています。
次回、その内容を紹介します。
(次回号に続く
2025年7月20日 タイ自由ランド掲載
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アユタヤ日本人村の魅力と歴史が丁寧に描かれていて感動しました。西野さんの情熱、そして日タイの絆を大切にする思いに胸を打たれます。次回の随筆紹介も楽しみにしています✨
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