日系大手不動産 次々に進出したが…残るのはどこ?

右手前がアシュトンアソーク

新型コロナウイルスの影響で、バンコクの不動産市場、特にコンドミニアムの新規販売は一時、止まっている状況だが、数年前から日本の大手ディベロッパーが東南アジアの市場を求めてタイに進出しており、現地の大手や中堅と組み、開発が進んでいる状況はある。

オリジンプロパティー社と組む野村不動産、アナンダ社と組む三井不動産、AP社と組む三菱地所、セナディベロップメント社と組む阪急阪神不動産、オールインスパイヤと組むフージャースホールディングス、サンシリィ社と組む東急コーポレーション、ライモンランド社と組む東京建物など。
 

実際に高層コンドミニアムなどを建設したところもあり、しかしここ数年の中国の景気後退などもあって、思うように販売できていない状況だ。
 

日系の不動産と組むメリットはタイ側からすると、日本人の顧客を連れて来てくれることだが、実際には高止まりした1000万バーツほどもする物件になかなか、日本から投資しようという人もいないのが現状。
 

タイで15年以上、日本人向けの不動産仲介をしている日本人社長によると「日本人なら、そのコンドミニアムの一室を買って、駐在員などへの賃貸として貸すわけですが、今では築浅の物件でもかなり割安の賃貸物件があり、買って貸すメリットがない」というのが現状のようだ。
 

さらに、このコロナ禍で、日本から来る駐在員もいったん、保留となり、賃貸の需要が減ることが予想され、次々に建てられたコンドミニアムも供給過剰の状態となっている。
 

もちろん、BTSアソーク駅前に完成したアシュトンアソークなどは好立地で、注目されている物件で、さらにこの状況で値下げをして販売しているが、これはアナンダ社が三井不動産と組んで開発した物件だ。
 

ただ今後、日本の不動産大手がこのまま、タイで開発を続けていくのか、については「すでに撤退するところもあるみたいですが、持ち株割合の半分は現地の会社なのだから、なかなか思うようにいかないと思う」とさきの日本人社長は話しており、「タイを含めた周辺国への進出を考えるべき」としていて、その行き先としては人口が多いベトナムや、新興国として魅力のあるカンボジアを上げている。
 

さらにタイでの開発については「住まいのコンドミニアムだけでなく、オフィス、工業団地などの開発もあるので、その方向性を確立していくことも重要」と話しており、次々に進出してきた日系大手ディベロッパーのうち、どれほどがこのままタイでの事業を広げていくのか、注目される

2020年5月5日 タイ自由ランド掲載