プラスチック袋の配布停止、年間130億枚、24億バーツの削減

トップス店内の手持ちの買い物かごは常にない状態 (中央)

 タイのバンコクでは、PM2.5の問題や、新型肺炎コロナウィルスのニュースが幅を利かせ、プラスチックの話題は隅に追いやられた格好だが、コンビニやスーパーでは常に直面する問題なので、避けて通れない話題ではある。
 

タイではプラスチック袋の使用が、2020年1月1日より、大手のスーパーやコンビニなどで停止となり、以前から、おそらく始まるとは言われていたものの、実際に始まると、買い物客などは不便を感じているようだ。
 

タイ自由ランドのオフィスの近くにあるトップス。昨年から毎週、〇曜日には配布袋がない日、というような設定があって、ない時はどうなるか、というのは予行演習としてわかっていたが、実際それが毎日になると、頭の中にはなかった、さて、どういう風に持ち帰るのか?という悩みも出てくる。
 

逆に言えば、何でも買いたいものを買っていたのが、プラスチック袋がないので、最低限、欲しいものだけにしぼられる、というのはあるだろう。
 

ところで、そのトップスの入り口に入ったところにある、店内で使う買い物かごや手押しの商品入れのカートが、急激になくなっていて、これは近くのコンドミニアムやアパートに住む人などが、そのまま精算し終わった商品を、手押しカートに入れて持ち帰り、その手押しは戻ってこない、などの状況になっていると思われる。
 

ローカル紙の報道によると、40年以上、営業していた大手のプラスチック会社が、70%売り上げが落ち、廃業するという。その社長によると、タイ政府は2022年をメドに一斉停止をすると言っていたのに、11月に突然、1月からの停止が通告された、と肩をおとす。
 

一方、バンコク都庁では、1月1日よりプラスチック袋を庁舎に持ち込まない!都や各支局では環境に配慮して、プラスチックゴミを出さない、バンコク都の庁舎内やその周辺の屋台ではプラスチックを極力使わない、などを掲げて、率先してプラスチックゴミを減らす先導役となっている。
 

周辺の屋台については、都職員などがそれを購入して庁舎に持ち込むので、元からなくさないと、庁舎内でもなくならないということのようだ。
 

環境当局などによると、タイでは年間で450億枚のプラスチック袋を使っていて、そのうち、40%がタラートで使われており、残りの60%のうち、ざっと見積もってコンビニで30%、大手スーパーなどで30%としていて、バンコクでは1人1日に8袋を使用しているといい、プラスチック袋、プラスチックストローは庶民の日常になくてはならないものになっているだけに、一斉中止というのは大胆な処置だ。
 

タイ政府のかけ声で、スーパーやコンビニは一斉に停止したが、タラート(街中の庶民の市場)でのプラスチック袋やストローの中止は、持ち帰りのための必需品となっているだけに、まずその代替が必要になってくるだろう。そういう意味では徐々に代替となるものが表れてくるのではと思われる。
 

タイカシコン研究センターによると、1月1日からの削減で、2020年はプラスチック袋の29%、130億枚、24億バーツの削減ができるとしており、2022年にタラートでも強制されれば、全体で60%削減、290億枚、53億バーツの削減となる、と分析している。

2020年2月20日 タイ自由ランド掲載