
タイ料理といえば、トムヤムクン、グリーンカレー、パッタイ……なんて有名どころはたくさんあるけれど、ちょっとグルメな人たちの間でじわじわ人気が出ている料理がある。それが「クンオップウンセン(Goong Ob Woon Sen)」!
何それ? 呪文?
いえいえ、これはタイ語で「エビ(クン)・蒸し(オップ)・春雨(ウンセン)」という意味。つまり、直訳すると「エビ春雨蒸し」。
でも実際の料理は、そんな簡単な言葉では収まりきらない奥深さがあるんです!
湯気の向こうに、幸せがある
クンオップウンセンは、鉄鍋の中でエビと春雨をたっぷりの香味野菜と一緒に蒸し上げた一品。フタを開けた瞬間、立ちのぼる湯気とともに香るのは、生姜、にんにく、胡椒、セロリ、そしてちょっぴりの中華醤油の香り。まるでタイと中華の料理が屋台の裏で手を組んだような、そんな味わい。
バンコクの高級レストランから、田舎の屋台まで、あらゆるレベルの食堂で愛されているこの料理。田舎の市場なんかでは、おばちゃんが使い古された鉄鍋でジュウジュウいわせながら作ってくれる。おまけに鍋ごとテーブルに出されて、「あっつ!でもうまっ!」のループが止まらない。
春雨が主役?エビが主役?
この料理、見た目は地味。でも、春雨がエビの旨味を全部吸い込んで、もはやただの付け合わせではない。むしろエビよりも主役感すらある。
エビはもちろんプリプリ。火を入れすぎないように丁寧に蒸されているから、殻付きでもスルっとむけて、手が止まらない。
しかも、食べ進めるほどに鍋の底にたまったスープが染みこんで、春雨は最後のひとすくいまで感動レベルの美味しさ。
ちょっと豆知識:蓋を開けるタイミングが大事!
この料理、レストランで出てきたときにフタをされたまま出てくることも多い。なぜなら「香りが命」だから。
フタをパカッと開けた瞬間の、あの一瞬の蒸気爆発(!?)を、逃さないように!
隣のテーブルの人が振り返るレベルの香り。まるでアロマテラピーのごとし。
さて、家でも作れる?→作れます!!
お待たせしました。ここでクンオップウンセンの簡単レシピを紹介します。意外と材料も揃えやすくて、特別な道具も不要!
材料(2人分)
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春雨(乾燥)……100g(太めがおすすめ)
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エビ(殻付き・背ワタ取り)……6〜8尾
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にんにく……2かけ(みじん切り)
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生姜……1片(スライス)
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セロリの茎(パクチーの根でもOK)……1本(スライス)
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黒胡椒(粒)……小さじ1(潰しておく)
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オイスターソース……大さじ1
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シーユーカオ(タイの白醤油)※なければ薄口醤油……大さじ1
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ごま油……小さじ1
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水 or 鶏ガラスープ……100ml
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油……大さじ1
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炒め用の鍋 or 小さめのフライパン(蓋つき)
作り方
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春雨は水に10分ほど浸けて戻しておく。
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鍋に油を熱し、にんにく、生姜、黒胡椒、セロリを炒めて香りを出す。
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オイスターソース、白醤油、ごま油、水(またはスープ)を加えて軽く煮る。
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戻した春雨を加えて、全体を混ぜるように中火で1〜2分煮る。
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春雨の上にエビを並べるように置き、蓋をして中火〜弱火で5〜6分蒸し煮。
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エビに火が通ったら完成!熱々のまま鍋ごとテーブルへ!
おまけ:もっとタイっぽく楽しむには?
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食べるときに、パクチーをたっぷりのせる。
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ライムを絞ってさっぱり食べるのも◎。
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タイのチリソース(ナムチム)をちょっとつけても最高。
結論:クンオップウンセンは恋です
エビと春雨だけなのに、なんでこんなに深いの!?と驚くこと間違いなし。
派手じゃないけど、一度ハマると抜け出せない魔性のタイ料理「クンオップウンセン」。
気がついたら、あなたも「今日の夕飯これにしようかな…」って考えてるかも?
さあ、次の週末は自宅でタイ屋台気分、いかがでしょう?
✿ タイの台所から、こんにちは ✿
バンコクの屋台で初めて食べた「クンオップウンセン」。
鉄鍋から立ちのぼる湯気と、ぷりっぷりのエビと、だしを吸い込んだ春雨……もうね、感動でした(笑)。
あれから何度も食べて、ついに自宅で再現するように。
香りを大事にしながら、ちょっとしたコツを押さえれば、おうちでもちゃんと「お店の味」になるんですよ。
この記事を読んで、タイ料理が好きな人も、まだ知らない人も、
「ちょっと作ってみたいな」と思ってくれたら嬉しいです😊
ごはんって、旅みたい。
香りひとつで異国の風が吹く。
そんな瞬間を、一緒に楽しみましょう🍤✨