Day2|タイは本当にLGBTQに寛容な国なのか?
「タイはLGBTQに優しい国」
これは世界的にも、在タイ日本人の間でも、よく聞くイメージです。
街を歩けば、
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トランスジェンダーの店員さん
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LGBTQ向けのイベントやパレード
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テレビやSNSで活躍する有名人
たしかに日本より「見える」場面は多いかもしれません。
でも、ここで一度立ち止まって考えてみましょう。
“見える”ことと、“守られている”ことは同じでしょうか?
■ なぜタイは「寛容」に見えるのか
タイでLGBTQが身近に感じられる理由はいくつかあります。
① 仏教文化の影響
タイの多数派である上座部仏教では、
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個人の生き方に強く介入しない
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「前世の縁」「今世の役割」として受け止める
という考え方があり、
「排除する」という空気が比較的弱いと言われます。
② メディアとエンタメの存在感
ドラマ、バラエティ、SNSでは、
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カトゥーイ（トランス女性）
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ゲイ・レズビアンのキャラクター
が昔から登場してきました。
これが
「特別ではない存在」として認識される土壌を作っています。
③ 観光立国としての側面
外国人観光客が多いタイでは、
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多様性を受け入れること=経済的メリット
という現実的な理由も無視できません。
■ それでも残る「現実の壁」
では、タイは本当に生きやすい国なのでしょうか。
答えは 「場面による」 です。
・家族の中では?
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親には言えない
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結婚のプレッシャーは強い
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跡継ぎ・世間体の問題
特に地方では、
**異性婚が「当たり前」**という空気は今も根強く残っています。
・職場では?
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表向きは問題なし
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でも昇進や管理職では不利
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「イメージ」を理由に制限されることも
黙認と平等は別物、という声も少なくありません。
・法律はどうだった?
これまでのタイでは、
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結婚は異性のみ
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パートナーとしての法的保護は弱い
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緊急時や相続で「他人」扱い
つまり社会的には見えていても、
法的にはほぼ守られていなかったのが実情です。
■ 「寛容」と「権利」は別の話
タイ社会は確かに、
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露骨な差別が少ない
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表現の自由度が高い
一方で、
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法律
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制度
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国家としての保証
は、長い間置き去りにされてきました。
だからこそ今回の同性婚法制化は、
「イメージ」を「権利」に変える大きな一歩なのです。
■ Day2のまとめ
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タイはLGBTQが「見えやすい」社会
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しかし家庭・職場・法律では課題も多かった
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寛容=平等ではない
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同性婚はそのギャップを埋める制度
次回 Day3 では、
「タイにおける『家族』と『結婚』の考え方」
をテーマに、文化的な背景を見ていきます。 -
