発展する「サムローン駅」
現在BTSスクムビット線は、終点のベーリン駅からバンプー方面へ向けての延伸工事が進んでいるが、まず隣の駅となるサムローンまでの一区間だけ先に開業する。来年3月から無料開放運転が行われ、のち正式に開通予定だ。
急ピッチで工事が進むサムローン駅へ行ってみた。
ベーリン駅からスクムビット通りを歩くと20分ほどでサムローンのランドマークともいえるショッピングモール「インペリアル・ワールド」に着く。サムローンの第一印象は、人が多いということ。空き地が多く閑散としたベーリンから来たので、よけいそう感じたのかもしれない。
「インペリアル・ワールド」は、ビッグCが入っている一時代前のモールで、お洒落とはいえないが活気はある。
サムローン駅は、インペリアル・ワールドの目の前にできたと思っていたが、さらにスクムビット通りを進んだテパラック通りとの丁字路近くに建設されている。
インペリアル・ワールドの横には、庶民的な市場があり、スクムビット通りを渡った向かい側にも市場がある。すぐ横をサムローン運河が流れており、昔から物産の集積地であったことがしのばれる。
スクムビット通りを進み、サムローン運河を渡ると、すぐに新しい駅が見えてくる。なぜ一番賑やかな場所でなく、テパラック通りとの丁字路の近くに駅ができるかというと、そこを基点にMRTイエローラインが建設されるためである。
イエローラインは、サムローンからテパラック通り、シーナカリン通りに入り、ラップラオを結ぶ全長30.4㎞の路線で2019年に開通予定だ。
駅のすぐ横には、メトロポリスという新しいコンドミニアムが建設予定で、平米あたりおよそ7万バーツとなっている。
駅とインペリアル・ワールドは、歩行者通路で繋げられているが、スカイウォークというより、長い歩道橋というつくりだ。駅直結とはいえ歩いて3、4分はかかりそうだ。
バンコク中心部からBTSで約30分と程よく離れたロケーションで、2路線が交わることになるサムローン。さらに先のスクンビット通り沿いには、日系の大企業をはじめとした工場群があり、就労先があることで人口が多い。イエローラインの沿線も、人口の多い地域だ。今後バンコク郊外の新しいターミナルとして大きく発展するポテンシャルがある。東京郊外の町田駅とイメージが重なった。
サムローン駅をひと回りした後、スクムビット通りの両側にある市場を歩いてみた。どちらも実際に中に入ると、外から見るより、かなり大きな規模で、青果、肉、魚介類、乾物、衣類、雑貨とありとあらゆる物が揃っている。
インペリアル・ワールドの向かい側にある市場は、田舎の市場の風情があり、小旅行の気分を味わえた。
インペリアル・ワールド側にある市場は、日本のアーケード商店街のような感じで、こちらの方が明るくきれいで、日本人も買い物しやすいだろう。
駅が開通すれば、市場目当てでやってくる人もいるだろうが、それだけの価値はあると感じた。
イエローラインが開通する頃には、さらに開発が進んでいるだろうが、サムローンの庶民的な雰囲気は残ってほしいものだ。
2016年12月5日 タイ自由ランド掲載
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