
タイニュース速報
2025年7月25日
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タイ・カンボジア国境で軍事衝突発生
タイ側14人死亡、10万人避難
2025年7月25日
タイ・カンボジア国境地帯
最終更新: 午前10:30
重要ポイント
死傷者: タイ側14人死亡(民間人13人、兵士1人)、46人負傷
避難者: 10万人以上の住民が学校などに避難
軍事行動: タイ軍F16戦闘機がカンボジア軍拠点を空爆
発生場所: 東部係争地のスリン県タ・モアン・トム寺院付近
衝突の経緯
2025年7月24日早朝、タイとカンボジアが領有権を争う国境地帯で両国軍による武力衝突が発生しました。カンボジア軍がタイの軍事基地を砲撃したことから始まり、その後砲弾がコンビニエンスストアや病院付近にも着弾し、民間人に甚大な被害をもたらしました。
タイ保健省によると、スリン県、シーサケート県、ウボンラーチャターニー県の3県で民間人11人と兵士1人が死亡し、民間人24人と兵士7人を含む計46人が負傷しています。被害者の中には子どもも含まれており、砲弾の直撃により家屋が破壊されるなど、深刻な被害が報告されています。
軍事対応とエスカレーション
タイ軍は「民間人を狙った攻撃は非人道的な行為」として強く非難し、F16戦闘機を出動させてカンボジア軍の拠点に対する空爆を実施しました。タイ軍報道官は「計画通り、軍事目標に対して空軍力を使用した」と発表し、カンボジアとの国境を閉鎖する措置も取られています。
一方、カンボジア国防省は戦闘機による爆弾2発の投下を確認し、「カンボジアの主権と領土に対するタイの無謀な軍事侵略を強く非難する」と反発しています。両国ともに相手側が先に発砲したと主張しており、対立が深刻化している状況です。
住民避難と人道的影響
タイ政府は国境に近い地域の住民に緊急避難を呼びかけ、10万人以上の住民が学校や公共施設に避難している状況です。避難所では食料や医療品の不足が懸念されており、長期化すれば人道的危機につながる可能性があります。
国際社会の反応
アメリカ
国務省が「深刻な懸念」を表明し、攻撃の即時停止と平和的解決を強く要求
国連
グテーレス事務総長が両国に最大限の自制と対話による解決を促す
日本
岩屋外務大臣が外務大臣談話を発表し、両国に最大限の自制を求める
カンボジア
フン・マネット首相が国連安保理緊急会合の開催を要請
背景情報
タイとカンボジアは1世紀以上にわたり、817キロに及ぶ国境地帯の複数地点で領有権を争っています。特に今年5月の銃撃戦でカンボジア兵士1人が死亡して以降、緊張が急速に高まっていました。
過去数年間の小競り合いで少なくとも12人が死亡しており、2011年には1週間続く銃撃戦も発生するなど、断続的な衝突が続いています。
現在の状況
両国とも攻撃を続ける姿勢を崩しておらず、緊迫した事態が長期化する可能性
タイは駐カンボジア大使を召還し、外交関係も悪化
国際社会からの圧力により対話再開への期待も