
Day 1|タイ仏教の基礎知識
〜上座部仏教とは何か?日本仏教との違い〜
タイを歩いていると、
朝の托鉢(たくはつ)、オレンジ色の僧衣、
コンビニの前で手を合わせる人たちの姿をよく見かけます。
「タイって仏教国なんだなぁ」と感じつつ、
日本の仏教と何が違うのか?
実はよく分からないまま…という人も多いはず。
まずはここから、一緒に整理していきましょう。
上座部仏教とは何か?
タイ仏教の基本は「上座部仏教」
タイで信仰されている仏教は、
上座部仏教(じょうざぶぶっきょう)
英語では Theravāda Buddhism と呼ばれます。
特徴を一言でいうと、
「お釈迦さまの教えに、できるだけ忠実な仏教」
です。
上座部仏教のポイント
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お釈迦さま(ブッダ)を唯一の悟った存在として尊敬
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経典はパーリ語(古代インドの言葉)
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修行の中心は
戒(生活ルール)・定(瞑想)・慧(智慧) -
僧侶の修行と役割がとても重視される
タイでは、
一生に一度は出家する男性も多く、
短期間の出家も「立派な徳積み」と考えられています。
タイのお坊さんはなぜ尊敬されるのか?
日本ではお坊さんは「お葬式の人」という印象が強いですが、
タイでは少し立ち位置が違います。
タイのお坊さんの役割
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徳を積む存在の象徴
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精神的な相談相手
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地域社会の道徳的リーダー
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瞑想や心の修行の先生
だからこそ、
バスで僧侶に席を譲る、
女性が直接触れない、
という文化が今も生きているのです。
日本仏教との大きな違い
ここで、日本仏教と比べてみましょう。
① 日本仏教は「大乗仏教」
日本の仏教の多くは 大乗仏教 です。
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阿弥陀仏、観音菩薩、地蔵菩薩など
たくさんの仏さま・菩薩が登場 -
「みんなを救う」ことを重視
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在家(普通の人)でも救われる考え方
一方、タイの上座部仏教は
「まず自分が悟る」ことが大切。
② お坊さんの結婚
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タイ:僧侶は原則独身
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日本:結婚する僧侶が一般的
これも日本人が驚くポイントですね。
③ お寺の雰囲気
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日本のお寺:静か・荘厳・お墓のイメージ
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タイのお寺:明るい・カラフル・地域の広場
お祭り、寄付、写真撮影、子どもたちの遊び場…
タイのお寺は生活の中心でもあります。
なぜタイでは「徳積み」が大切なのか?
タイ人がよく言う言葉に
「タンブン(ทำบุญ)」=徳を積む
があります。
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寄付をする
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僧侶に食事を差し出す
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お寺を掃除する
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動物を助ける
これらはすべて、
来世・未来の幸せにつながる行いと信じられています。
この考え方を知ると、
タイ人の優しさやマイペンライ精神も
少し違って見えてきます。
Day1のまとめ
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Tensui-
タイ仏教は 上座部仏教
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お釈迦さまの教えを重視
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僧侶の修行と徳積みが社会の中心
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日本仏教とは
仏の考え方・僧侶の役割・お寺の存在感が大きく違う
次回 Day 2 は
「なぜお寺は王様と深く結びついたのか?」
タイの歴史と仏教の関係を、
分かりやすく解説します。 -