タイに住んでから、あの本を思い出す
コリン・ウィルソン『アウトサイダー』
タイに長く住んでいると、
ふとこんな瞬間、ありませんか?
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日本にいた頃の「常識」が急に色あせて見える
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みんなが必死だった価値観が、急にどうでもよくなる
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「あれ?人生って、こんなに自由だったっけ?」と思う瞬間
そんなとき、学生時代に読んで
人生観をひっくり返された一冊を、よく思い出します。
コリン・ウィルソンの
**『アウトサイダー』**です。
学生時代、「これ自分じゃん…」と震えた本
この本を読んだのは、まだ日本にいた頃。
周りは就職、安定、将来設計の話ばかり。
でも正直、
「この世界、どこかおかしくない?」
「みんな、本気でこれを信じて生きてるの?」
と、心の中ではずっと思っていました。
そんなときに出会ったのが『アウトサイダー』。
読みながら何度も思いました。
あ、これ
俺のこと書いてるじゃん
ウィルソンの言う「アウトサイダー」とは?
アウトサイダー=
変人、問題児、社会不適合者。
……ではありません。
ウィルソンの定義は、もっと優しい。
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世界が薄っぺらく見えてしまう
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日常が「仮の舞台」に感じられる
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もっと深い意味があるはずだと確信している人
つまり
感度が高すぎる人間です。
これ、海外に住んだことのある人なら
めちゃくちゃ分かると思います。
タイに住むと、アウトサイダー感が加速する
タイ生活って、気楽で楽しい反面、
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日本のルールが通じない
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空気を読まなくていい
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でも、完全には混ざれない
という独特の「宙ぶらりん感」があります。
この感覚、
まさにアウトサイダー。
でもウィルソンは言います。
アウトサイダーは不幸な存在ではない
世界を別の角度から見られる人間だ
タイで暮らしていると、
この言葉の意味が、じわじわ分かってきます。
有名人だらけなのに、全員生きづらそう
この本に出てくるのは、
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ニーチェ
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カフカ
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ドストエフスキー
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ゴッホ
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アラビアのロレンス
そうそうたる顔ぶれ。
でも、誰一人として
「リア充」じゃない(笑)
みんな孤独で、悩んで、
社会からズレている。
それでもウィルソンは断言します。
彼らは失敗者ではない
世界を見すぎてしまっただけだ
これを知ったとき、
肩の力が抜けました。
英文で全部読んでしまった理由
この本、実は日本語訳だけでなく
英文でも全部読みました。
理由は単純で、
ウィルソンの言葉は「翻訳を通すと弱くなる」から。
英文のウィルソンは、
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ちょっと生意気で
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やたら自信満々で
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若さゆえの勢いがある
でも、それがいい。
20代前半で
こんな本を書いてしまう人間の
エネルギーそのものが伝わってきます。
今、タイで読むと、さらに刺さる本
若い頃は
「救われた」と感じた本。
今、タイで読むと
「答え合わせ」をしている感覚になります。
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日本を出たこと
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タイに住んでいること
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少数派として生きていること
それ全部が、
アウトサイダー的生き方だったんだな、と。
タイ在住で「なんとなく違和感」を感じている人へ
もしあなたが今、
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日本社会に戻る気がしない
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かといって、完全にタイ人にもなれない
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でも、この生き方を手放したくない
そう思っているなら、
『アウトサイダー』は今こそ読む価値があります。
この本は言ってくれます。
あなたは間違っていない
世界のほうが、少し浅いだけだ
タイの暑い午後、
エアコンの効いた部屋で、
コーヒー片手に読むには、
ちょっと刺激が強すぎるかもしれません。
でも――
だからこそ、面白い一冊です。
