
Day1|タイ古式マッサージとは何か?世界で評価される理由
「タイ古式マッサージ」と聞くと、
「気持ちいい」「観光客向け」「街角にいっぱいある」
そんなイメージを持つ人が多いかもしれません。
でも実はこれ、
世界的に“伝統医学”として評価されている療法だということをご存じでしょうか。
■ タイ古式マッサージは「医療」に近い存在
タイ古式マッサージは、単なるリラクゼーションではありません。
起源は約2,500年前、仏教・インド医学(アーユルヴェーダ)・中国医学の影響を受けて生まれました。
タイでは古くから
「痛くなってから治すのではなく、整えて病を防ぐ」
という考え方があり、マッサージは予防医療の一部だったのです。
今でもタイの病院や保健医療の現場では、
西洋医学と並んで伝統医療が使われています。
■ 「二人で行うヨガ」と呼ばれる理由
タイ古式マッサージの最大の特徴は、
ストレッチと指圧を組み合わせた独特の施術。
施術を受ける人は横になったまま、
施術者が手・肘・膝・足を使って全身をゆっくり伸ばしていきます。
その様子から、
「二人で行うヨガ」
とも呼ばれるようになりました。
ゴリゴリ押すのではなく、
呼吸とリズムを合わせて、体を本来の位置に戻していく感覚。
終わったあとに「体が軽い」「頭が静かになる」と感じる人が多いのはそのためです。
■ なぜ世界で評価されているのか?
タイ古式マッサージが世界的に高く評価されている理由は、大きく3つあります。
① 体系化された理論がある
セン(SEN)と呼ばれるエネルギーラインを基盤に、
どこをどう刺激するかが明確に決められています。
② 心と体の両方に働きかける
筋肉だけでなく、自律神経・呼吸・意識にも影響するとされ、
ストレス社会の現代人に非常に相性が良い療法です。
③ 文化として守られてきた
2019年、タイ古式マッサージは
ユネスコ無形文化遺産に登録されました。
「技術」ではなく「文化」として認められたことは、世界的にも大きな出来事でした。
■ タイに住んでいるからこそ、学ぶ価値がある
バンコクや地方の街を歩けば、必ず目に入るマッサージ店。
でもその背景に、
これほど深い歴史と思想があることは、意外と知られていません。
タイに住んでいる今だからこそ、
「安くて気持ちいい」だけではなく、
タイの人たちが大切にしてきた身体観・生き方として、
タイ古式マッサージを知ってみるのも面白いはずです。
「タイ古式マッサージの起源と歴史」
仏教やインド医学との関係を、もう少し深く見ていきます。