【 OMGスクール】第1回 なぜか成績が上がらない子どもたちの「ある共通点」

 


第1回 なぜか成績が上がらない子どもたちの「ある共通点」

※写真はイメージです
※写真はイメージです

第1回 なぜか成績が上がらない子どもたちの「ある共通点」私がタイバンコクで学習塾を運営してお陰様で今年で8年目になります。

教育関係は素人だったものの、優秀な塾講師に恵まれ、成績の芳しくなかった生徒も、中学受験や高校受験で希望する学校に入学するなど、ある程度実績を上げて参りました。

ところが塾を始めて3年位経った頃、思う通りに成績が上がらず希望する学校に進学できない生徒に共通する「ある事」に気づきました。

ここで、私がその「ある事」に気づくきっかけをくれた女の子の話をしましょう。

Aちゃんは当時日本人小学6年生。水泳をやっている元気な女の子で、日本人のお父さんとタイ人のお母さんとのハーフです。私がボランティアでやっていた子供の集まりに参加してくれた事で知り合い、私の運営する塾に通うようになりました。お父さんが彼女の一向に良くならない成績を心配しての入塾です。

その後、元気に通塾している様子を塾長からの報告で聞いていたので安心していたのですが、半年を過ぎた頃ある日、お父さんから私に直接連絡がありました。

「学校のテストの結果が以前と変わらない。それどころか算数以外全体的に成績が落ちている」との事でした。
急いで塾長に確認を取ると「決して理解力がないような子ではない。算数の基本問題はきちんと解けている。タイ人スタッフともタイ語で流暢に話をしているし、Aちゃんの行動から機転の効く頭の回る子という印象がある一方で、勉強の中で、特に文章の問題や、文章の中に回答がなく文脈から状況を読み取るような問題は出来ない事が多い」と報告があったのです。

昔からの定説で「算数が出来るようになるには、まず国語が出来ないとならない」と言われていますが、ここタイに於いては、両親が日本人でも外国居住による日本語に接する時間の減少や、通常の保育者の母語が異なる為不十分な日本語の環境で育つなど、環境の相違で問題はもっと複雑でした。

思う通りに成績が上がらず希望する学校に進学できない生徒の「ある共通点」、それは「母語(日本語)の語彙力と読解力の欠如」にあるのではないか、と気がついた瞬間でした。

(つづく:毎月1回連載予定、次回は4月5日号に掲載予定です)

著者:西尾 靖(ニシオ ヤスシ) OMGスクール代表

 

 

「ことばの学校」の広告j2021年3月5日 タイ自由ランド掲載

 

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