コクあるアラビカのコーヒー店!!サトンのエンパイアタワーに登場

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右が小沼さん、左3人がタイ人スタッフ
右が小沼さん、左3人がタイ人スタッフ
トップスの横にあるカウンタースペース
トップスの横にあるカウンタースペース
トップス横にある落ち着ける喫茶スペース
トップス横にある落ち着ける喫茶スペース

「タイで今、たくさんのコーヒーが売られていますが、タイ産のアラビカコーヒーで、アカ族のメーチャンタイ村の豆のみを使ったのはこの店が初めてです」というのは小沼廣幸さん(67歳)。
このたび、BTSチョンノンシー駅からすぐの、サトン通りのエンパイアタワーの地下のトップス横にオープンした「アカ・メーチャンタイ・コーヒー&マルチパーポススペース」。メーチャンタイのコーヒー豆のみの初めての店となる。
3年前から小沼さんがメーチャンタイ村で支援していて、チェンライのアカ族が住む村で、40戸、220人ほどの小さな村。
自立できるよう、コーヒー豆の生産、脱穀、焙煎などを、この3年でようやく地元の住民たちができるようになったが、仲介人による買い付けにより、他のコーヒー豆との差別化ができず、メーチャンタイコーヒーがブランド化をできずにいた。
実際には昨年のタイ全国のコーヒー豆の品評会で3位に入るなど、クオリティーのその香りと味は実証されているため、支援する小沼さんとメーチャンタイ村の生産者組合が話し合いを重ね、バンコクの都心へ共同出店を計画し、実現にこぎつけた。
コーヒー豆の生産、焙煎、店での販売を一貫して行い、その収益をメーチャンタイ村や他の福祉事業に還元する形が出来上がるかは、今後の店の営業次第だ。
実際には小沼さんが日本で設立したNPO のアジア自立支援機構(GIAPSA)が支援する形で、小沼さん自身の資金などをこれまでつぎ込み、脱穀機、焙煎機の購入も援助、そして今回の店の設立も小沼さんの出費で実現している。
ビジネス街の有名なインテリジェントビルに出店したのも「バンコクの人にメーチャンタイのコーヒーを知ってもらいたい」ためわざわざ都心の家賃10万バーツ以上もする場所に、このコロナの時期ではあるが出店している。
今回のこの試みは、電気もない貧しい山岳民族を支援することにより、自助努力で自分たちの収入や生活改善を達成できるよう、後方支援するモデル事業であり、それを小沼さんはアラビカのコーヒーにより、実現させようとしている。

アカ・メーチャンタイのコーヒー店のカウンター
アカ・メーチャンタイのコーヒー店のカウンター


小沼さんは、国際連合食糧農業機関(FAO)など、国連での勤務は35年になり、2015年に退官してから、バンコクの明治大学アセアンセンター長を務め、シーナカリンウィロート大学の客員教授など、タイでの活動も20年以上になる。「自分が今まで行って来て、受け取った報酬などを、世界で援助を必要としている人のために役立てたい」と語っていて、

店をオープンして利益を上げることが主な目的ではない。利益が出てそれにより、メーチャンタイ村や他の援助が必要な人たちへ還元されるお金を捻出し、村での生活向上支援の輪を広げることが目的だ。
実際にいただいたラテのアイスコーヒー110バーツは、3月14日まで、ドリンク類はすべて20%引きで、当初は平日の朝7時から午後5時まで、土日曜も開いていて、朝9時から午後5時までが営業時間。
コクのある味は、同じコーヒーを飲むならぜひ、自立するアカ族のために!という気持ちも湧き、同ビルには多くのコーヒー店があるが、ぜひ、アカ・メーチャンタイのコーヒー店を選びたい。落ち着けるスペースもあり、同ビル内に勤務する日本人も一服しながら味わってもらいたい。

2021年3月5日 タイ自由ランド掲載

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