西野順治郎列伝 125 第12章- 10 – 3 石平厚一郎さんと西野順治郎氏

読了時間 1未満

 

スリオンロータリークラブの例会にて中央が石原さん:著者撮影
スリオンロータリークラブの例会にて中央が石原さん:著者撮影

1999年、「クルンテープ」広報誌の担当者から、新役員に就任された各理事に対し、次の項目でひと口エッセイの依頼がありました。

①年齢 ②家族構成 ③趣味、好きなタイの果物/食べ物 ④本年度の役員としての抱負

⑤一口エッセイ

このテーマ設定に対して、石平さんは「③の趣味、好きなタイの果物/食べ物」には触れず、さらに④の「役員としての抱負」も省略し、もっぱら⑤のエッセイについて集中して執筆していたのが印象的です。

このことからも、彼の人柄が垣間見えます。

× × × ×

石平さんは日本人会会長の就任時に、一口エッセイとして以下の通り述べています。

「私は在タイ28年になりますが、ふと気がつくと毎朝8時に、ラジオからでしょうか?バンコクの街並みに「国歌」が流れます。

昔は、歩いている人は、タイ人、外国人、日本人、みんな立ち止まって、そんなに固くなると言うのではなくて、敬意を表したものです。

最近ではモノレール工事、地下鉄工事、世界一の交通渋滞で「立ち止まる」ところではありませんが、夕方6時の「国歌」となりますと、ゴルフ場のクラブハウスとか、レストランなどでは、人々はチョットお喋りを抑えて敬意を表しています。

映画館、カルチャーセンター、国際会議など開催の為に「国歌」を歌い或いは「国王賛歌」が流れると極く自然に全員起立し、終わると静かに着席します。

中には、聞きなれたメロディーだからのでしょうか、ハモッて言う外国人などもいます。(著者注:ハモるとは、二つ以上の声部の声、または音が、ひびき合う)

「立て!」「座れ!」などの指示、命令等など無しのこの「自然の敬意」が素晴らしいと思います。

どの国に今でも「国歌」「国旗」があって、国民はこれを誠に自然に愛し、尊敬しています。

「国歌」「国旗」の問題で自殺せねばならない教育者のニュースなどが、NHK 、BBC、CNNで世界中を駆け巡ります。

外人の「どうして?」と言う質問に対して、ふと、答えに窮します。

家族は、家内を3年前に亡くし、バンコクのワットテープスリンで、私などとてもやって頂けないだろうと思われる盛大な葬儀を、日タイの皆様にやって頂きました。(著者注:王室の保護を受ける第2級王室寺院)

以来、独身でがんばっております。

(一部省略)

趣味はなんといってもゴルフ。健康維持にはこれしかありません。

「90は叩かないぞ」「100は叩きません」と言うところ迄落ち込んでいますが、楽しさには変わりありません。たまにピアノでシャンソンなどを弾いています」

               

(次回号に続く

 

 2025年10月20日 タイ自由ランド掲載

著者紹介: 小林 豊
1948年北海道生まれ、自称フリー作家、在タイ38年、神奈川大学卒業、小林株式会社創業者、西野順治郎氏と長年交流。
著者へのメール:kobayashiyu99@gmail.com

 

ペルプ 西野順治郎

 

ペルプ タイの日本人会

 

 

 

関連リンク