【タイの田舎の小さな家から】タイの有名なお寺を30日で学ぶ Day 13 「なぜタイのお寺は高い場所に建てられるのか?」

Day 13
「なぜタイのお寺は高い場所に建てられるのか?」
丘・山・高台に込められた、
天と人をつなぐ思想を解説します。
タイを旅していると、
こんな景色に出会います。
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山の上にそびえる仏塔
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長い階段の先にある本堂
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町を見下ろす丘の寺
「なぜ、わざわざ高いところに?」
そこには、偶然ではない
深い宗教的イメージがあります。
■ 山は「宇宙の中心」だった
仏教(特に古代インドの世界観)では、
世界の中心に
**須弥山(しゅみせん)**という聖なる山がある
と考えられていました。
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頂上:神々の世界
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中腹:人間の世界
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麓:欲と迷いの世界
高い場所は、
真理に近づく象徴
なのです。
■ 上に登る=心を高める行為
丘の寺に行くには、
たいてい階段を登ります。
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息が切れる
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足が重くなる
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汗をかく
これ自体が、
小さな修行です。
一歩一歩登ることで、
日常の雑念が削がれ、
自然と心が静まっていきます。
■ なぜ平地に建てなかったのか?
実用面の理由もあります。
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洪水を避ける
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周囲を見渡せる
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都市の中心から区別する
しかしそれ以上に大切なのは、
俗世と聖域を分けること
高台は、
日常と信仰の境界線だったのです。
■ 王と高い寺の関係
王が建立した寺院ほど、
高い場所や目立つ場所に建てられました。
それは、
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権威の誇示ではなく
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仏法を国の上に置く象徴
「この国は仏教に守られている」
という無言のメッセージでもありました。
■ 町を見下ろす仏像の意味
丘の上の巨大仏像は、
町を見守る存在として配置されます。
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支配するためではない
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見張るためでもない
すべてを等しく見渡す視点
を象徴しています。
高い場所からの視線は、
執着から離れた視線なのです。
■ 高くない寺もある理由
もちろん、
すべての寺が高台にあるわけではありません。
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村の中心
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川沿い
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市場のそば
それらは、
人々の日常に寄り添う寺。
高い寺が「理想」を示すなら、
低い寺は「生活」を支えます。
■ お寺が“読める”ポイント(Day 13)
高い場所にある寺を見たら、
こう考えてみてください。
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ここは「別世界への入口」
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登る過程も信仰の一部
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見下ろす視線は慈悲の視線
景色が良いのは、偶然ではありません。
次回予告(Day 14)

「なぜタイのお寺には鬼や怪物の像がいるのか?」
守護神・夜叉・ナークに込められた、
“恐れ”と“守り”の思想を解説します。
――
丘の上で風に吹かれたとき、
あなたの心も少し、
日常より高い場所に立っているはずです。


















