お酒を通して日本文化を発信したい、タニヤプラザの「なだや酒店」


お酒を通して日本文化を発信したい、タニヤプラザの「なだや酒店」

ビジネス街のシーロムで、日本人駐在員も多く行き交うタニヤ通りで、ゴルフ用品店などが集まるタニヤプラザの1階に店を構えるのが「なだや酒店」。

店内には日本から直送された珍しい日本酒や焼酎、ワイン、ウイスキーなどがずらりと並んでおり「一カ所で、これだけ貴重な銘柄を揃えている酒屋さんは、他にはないという自負があります」とオーナーの原宏治さんは言います。

原さんはソムリエと、日本酒利き酒師の資格を持っているお酒のプロで、ビジネスとしてだけでなく、お酒を通して、日本の文化をタイ人やタイ在住の外国人に伝えていくことをポリシーとしていると話します。

9年前にタイでお酒の卸業者を始め、現在約1000軒の顧客を持ち、バンコクだけでなくプーケット、チェンマイ、サムイ島と、タイ全土のレストランやホテルへ販路を拡げています。

以前、原さんは駐在員としてタイに赴任していましたが、ワイン好きの原さんにとって、当時のタイのワインを取り巻く環境は、まだまだ発展途上に感じました。

いつか起業したいと思っていて、タイでワインの卸業をやってみようというアイデアが浮かんだそうです。
最初はワインを日系の飲食店に卸していましたが、徐々に日本酒や焼酎など扱う品目を増やし、タイ人向けにも販路を拡げていきました。

卸業と並行して、タニヤプラザになだや酒店をオープンしたのは5年前で、店頭販売ならではの良さがあると言います。

レストランではどうしても知名度があるものが、オーダーされやすいですが、知名度が低くても良いお酒やワインは、たくさんあるので、店を通して隠れた銘柄を多くの人に知ってもらいたいそうです。貴重な銘柄は日本より探しやすいのではないかと原さんは言います。

またお酒の管理がしっかりできていない、提供するお酒について説明できる人がいないなど、そのお酒の魅力を引き出す環境が整っていない飲食店などもありますが、自分の目が届く店であれば、最高の状態で管理し、扱っているお酒についても詳しく説明できるのが良いと言います。

客層はバラバラで、焼酎は日本人、ワインは欧米人とタイ人、ウイスキーはタイ人がよく購入していくとのこと。最近はタイ人女性に梅酒が人気だそうです。

地元でしか流通していない珍しいお酒や焼酎は、原さんが自ら日本の蔵元へ足を運びます。そうしないと、簡単には分けてはもらえないとのこと。生産者との信頼関係を作ることも大切な仕事です。

原さんは今の課題として、日本酒に比べ、まだタイで認知度の低い日本の焼酎の魅力を伝えて行きたいと言います。

海外では日本酒の飲まれ方はワインに近く、食事と一緒に楽しむことで、広く浸透していきました。欧米で人気が高まっており、輸出が伸びています。

一方、焼酎はウォッカやウィスキー等蒸留酒との競争になりますが、それらと比べると中途半端にアルコール度数が低いのがネックとのこと。タイで人気を高めるには、新しい楽しみ方を提唱し、いかに若いタイ人にアピールできるかが鍵と言います。

例えばフラミンゴオレンジという国分酒造(鹿児島)の芋焼酎は、焼酎には見えない洒落たラベルで、フルーティーな柑橘系の香りが特徴です。特殊な熟成法により、この香りが産まれるそうです。これをソーダで割って飲むと焼酎とは思えない爽やかな飲み物になります。普段芋焼酎を受け入れられない女性やタイ人にも人気です。

こんなの焼酎じゃないという人もいるかもしれないですが、世界に打って出るには、伝統は守りながらも、新しいアプローチが大切と原さんは話します。
また日本の地方はせっかく良い商品を持っていても発信力が低いので、一緒にタイをはじめ世界へ発信するお手伝いをしていきたいと言います。

2019年7月5日 タイ自由ランド掲載

 


 

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