【タイの田舎の小さな家から】2025年7月4日最新ニュース
タイ最新ニュース
2025年7月4日
読了時間: 約2分
東南アジア
今日のハイライト
🚨 政治危機
ペートンタン首相の職務停止が決定、政治混乱が深刻化
⚔️ 国境問題
カンボジアとの国境閉鎖、観光客の出国も禁止に
📉 経済予測
世界銀行が成長率予測を1.8%に大幅下方修正
🔄 内閣改造
首相は文化相を兼務し、改造内閣が発足

憲法裁判所がペートンタン首相の職務停止を決定
タイの憲法裁判所は7月1日、ペートンタン・シナワット首相に対する職務停止を命じました。これは、カンボジアとの国境問題をめぐる対応で、憲法・倫理規定に違反があったとして上院議員36人が失職請求を提出したことを受けたものです。
憲法裁判所は7対2の賛成多数で職務停止を決定し、ペートンタン氏には15日以内に弁明書の提出を求めました。職務停止の間は副首相が首相代行を務める見通しです。
問題となったのは、ペートンタン首相とカンボジアのフン・セン上院議長(元首相)との電話会談の内容です。この会談で、タイ軍を批判する発言があったとされ、音声が流出したことで政治的な混乱が拡大しました。
注目ポイント: 違憲と認定されれば、ペートンタン首相は解職を命じられる可能性があります
カンボジア国境閉鎖で観光客の出国も禁止
タイ政府は6月23日、カンボジアとの国境における警備強化を発表し、観光客の出国を禁止する措置を取りました。両国軍の部隊衝突を受けて、タイ軍は国境沿い8県のうち7県でほとんどの国境検問所を閉鎖しました。
緊張が高まったきっかけは、5月28日に未画定の国境地帯で両国軍の部隊が衝突し、カンボジア兵1人が死亡したことです。この事件を受けて、非難と報復の応酬が続き、両国関係は過去10年で最も険悪な状況となっています。
通行制限措置
- • 観光客の出国を完全禁止
- • 学生・患者・必需品購入者のみ通過許可
- • 8県中7県の検問所を閉鎖
政府の説明
- • 国際犯罪対策のため
- • 特殊詐欺グループの拠点への対応
- • 国境警備の強化が必要
世界銀行、タイ経済成長率を1.8%に大幅下方修正
世界銀行は7月3日、タイの2025年経済成長率予測を1.8%に下方修正しました。これは2月時点の予測2.9%から1.1ポイントの大幅な引き下げとなります。2026年の成長率も1.7%(従来予測2.7%)に修正されました。
経済成長率予測の変化
世界銀行は報告書「タイ経済モニター」で、成長鈍化は輸出と観光の低迷、特に中国からの入国者数の減少と弱い内需を反映していると指摘しました。観光業の回復は鈍く、外国人観光客数が新型コロナウイルス感染症流行前の水準に戻るのは2026年第2四半期になると予測されています。
改造内閣発足、首相は文化相兼務で閣内残留
タイ政府は7月3日、改造内閣の発足を発表しました。憲法裁判所から職務停止を命じられたペートンタン首相は、文化相を兼務することで内閣にとどまる戦略を取っています。
この内閣改造は、憲法裁判所が職務停止を命じる直前に発表されました。首相は文化相兼務について「タイにとってソフトパワーは国家発展の要。自ら導きたいという思い」と説明していますが、メディアからは「滑り止め」との指摘もあります。
戦略的意味: 首相の職務停止後も文化相として政権運営に関与し続ける狙いがあるとみられています
今後の展望と影響
政治リスク
- • 憲法裁判所の最終判断により首相解職の可能性
- • 政治不安定による投資環境の悪化
- • 連立政権の結束力低下
経済影響
- • 観光業の回復遅れが経済成長を圧迫
- • 中国からの観光客減少が継続
- • 公共インフラ投資の遅れ